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鉛筆を使う方法は古い?意外にも成果があった

奏法さすらい記

前回、購入した鉛筆をくわえる方法の手引書をもとに、毎日、楽器を持たずに練習しています。途中経過を自分なりにまとめていきたいと思います。
結論から言うと、自分が考える以上に、この方法を採用して、唇周りの筋力がないということが分かったということです。著作権の問題で、内容を詳しくここで書くことはできませんが、この本の鉛筆をくわえる方法は、私が漠然と考えていた方法と全く違うものでした。

そもそも、私が、この方法を知ったのも50年ほど前の話で、ただひたすら鉛筆をくわえるというものでした。当時は、どうやっていいかわからず、結局、すぐに飽きてやめました。片田舎の中学校までいろいろな練習方法のうわさが流れてきました。今とは全然違う状況で、私はまるでアマゾンのジャングルにいる少年のような状況でした。その中の一つに、この鉛筆をくわえる方法というものがあったわけです。他にも、ある学校の吹奏楽部では、数か月間、マウスピースだけの練習をやらされるのだとか聞いてやってみましたが、あまりに楽しくないのでこれもすぐにやめました。個人的にも腹筋をしたり、鉄アレーを使って鍛えたりもしていました。しかし、いずれも、手本となるものがなく、やや空回り状態でした。

時代は変わり、革命といえるほど、情報が格段に取りやすくなった今、初めてその方法らしきものに触れることができました。(もちろん、鉛筆をくわえるのではなくて、特殊な器具を使う方法は前から知っていましたが、鉛筆の方法と同じという先入観から、やることはありませんでした。)今回、鉛筆をくわえる方法のやり方について、解説している本があることを知って、購入し、実施しているわけです。そこで案内されている方法は、本当に権威あるものなのかどうか、わかりません。しかし、私の知識の状態よりはましですから、やってみることにしました。

はっきり言って、私がかつてやりかけていた方法は、まったく意味がありませんでした。やり方が違うのでした。ただ、口を開けて、唇で鉛筆を支えるだけの方法だと思っていました。しかし、この本によると、段階的に鍛えることに意味がある方法だということです。そのためのスケジュールは10週間というものです。

今、1か月近くたって、私の唇周りの感触が変化しました。どのように変化したかというと、今までにつかっていない口輪筋の上部分がに、意識が向かうようになったことです。この本のやり方としては、まず最初に、ある長さの鉛筆のとがっていないほうを一分間、くわえるのですが、ただくわえるのではなくて、ある口腔内の状況にしてくわえなければならず、最初の1分間は、とても維持できませんでした。尚且つ、鉛筆の角度にも指定があります。私はトランペットを吹くようなセッティングでやってました。すると、何分間でもできますが、それは正しい方法ではないということです。

さらに、ステップを踏んで鉛筆の長さを変え、くわえる時間を変え、一定の運動ができるようになると、その後は1週間に1回だけ、維持するためのトレーニングするという方法なのです。
とりあえず最後まで実施し、その後、この方法の真偽のほどを確かめたいと思います。その後、器具を使ったものもやってみようと思っています。

では、なぜここまで、この類の方法を試してこなかったのか、私は…。というと、すべてのことは舌が行い、舌さえ意識していれば、すべての問題は解決し、唇などに意識をする必要がないという説をなんとなく信じていたからです。この類のこと、つまり、これこそ王道で簡単なことをなぜ、実践しないのだ、というようなことは、結構心地よい言葉で、奏法についてのファシズム的な魅力を持っています。しかし、本当かどうか、どうも怪しい。まず第一に、自分の置かれた状況は、毎日練習をするプロの奏者ではないということです。だからこそ、どんなやり方もチャレンジするつもりだし、また、どんな方法にも距離を置いて、自分なりに昇華する必要があるのだろうと思うのです。

考えを広げると、広く運動競技をやる選手などは、その運動競技だけを練習していないわけです。体の柔軟性を高める、体幹を鍛える、持久力をつける、それぞれの目的のための、その競技をサポートし、さらに能力を高める練習方法を採用しています。そのためには、いろいろな器具を使っています。同じことが、トランペットにもあるのじゃないか、と思いついたわけです。事実、このような本も見つけました。


(これも、英語で私もたどたどしく読んでいますが、まだ読み終えていません。kindleをおもちでしたら、無料でダウンロードできますし、同時にパソコンの中に取り込み、kindle専用のソフトで読むことができます。ちょっと前まで、有料でしたが、いつの間にか無料になっていました。割と、わかりやすい英語の文章だと思います。大学受験レベルで単語の意味を補えば、読むことができると思います。 )

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こちらが、著者がYoutubeにあげている動画です。ちょっと、怪しい気もします(再生回数)が、この本の内容のさわりのところの紹介のようです。未知なる地を求めて探検する感じです。


ここで上げている動画では、画面に英文が出てきませんが、Youtubeサイト内で見ると、英文が画面に現れますので、理解を助けると思います。少なくとも、私も聞き取りができないので、そうしています。もっと、若いうちに勉強しておけばよかった。

いずれにしろ、結果がもう少しで出ることになると思います。楽しみです。

【この記事を書いて4年ちょっと経った後に思うこと】

この後、どういう経緯を私はたどったかを書き留めておきたいと思います。実は、この鉛筆をくわえる方法に関しては、この1年後に辞めちゃいました。その理由が、どうも意気込んだ割には腰砕けの理由で、めんどくさかったからでした。というか、10週間のビルド期間を終えて、1週間に1回だけ、トレーニングをするというスケジュールなのですが、ついつい忘れてしまって、まあいいかと流してしまったことです。そうして、半年が過ぎました。そのころから、だんだんと調子を崩してゆき、結構、ひどい状態になりました。いろいろ試行錯誤していく中で、もう一度、鉛筆エクササイズをしてみるかという気持ちになり、半年前になって、やり始めました。そのころからだんだんと調子を戻してきました。その中で、今度こそ、くじけずやり続けようということで、1週間に1回月曜日に忘れずにエクササイズをやるスケジュールをwindowsの中にあるカレンダーに登録しました。当日になったら、そのスケジュール通りにやればいいだけで、今度こそ、死ぬまで?やることになると思っています。調子が落ちた原因が、それだけではないとしても、邪魔をすることもないだろうという判断です。しかも、1週間にたった4分間のエクササイズです。

時は流れて、それから2年

鉛筆の方法は、つまりはどういうことかということがだんだんわかってきました。要は顎の構えを一定にした状態で、アパチャーだけを変える方法、ではないかということです。というのも、こんな練習方法をやってみると、その目指す意味が分かると思います。

この方の言っている内容の中で、楽器を下げずに演奏することというのがあります。それと、アパチャーの調節によりいろいろな音域に対処できるということも言っています。その方法の一つとして、マウスピースを逆の方向にくわえて、息を吹きだすというトレーニングが案内されています。地道に音域を拡大するという基本的な考え方も説明されています。私は、これを2年ほどやってきました。鉛筆の方法もいいのですが、こちらのほうがより実践的で、ちょっと調子が悪いときも、元に戻りやすいという実感を得ています。

そして、私個人でわかったことがいっぱいありました。従来、下あごを前に少し出すということが通説でいわれていますが、それをすると調子が狂うということがよくありました。しかし、これを顎を出すではなくて、上唇に負担がかからないように、マウスピースを上唇に乗っけるという感覚に意識を変えました。その結果として、上唇を追いかけて下唇が迎えに行き、結果的に顎を少し前に出すことになるということです。従来は上唇が十分にマウスピースにかかっていないのに下あごだけ出していて、疲れてしまって、顎が引っ込み、それを追いかけるように上唇が下に崩れ、高音域がとにかく詰まるということが起こっていたのではないかと思います。

鉛筆の方法では、下あごの使い方などのシミュレーションができるということだと思います。しかし、本質的な考え方は、上記の動画のシリーズをご覧いただくと割とすんなりと頭に入ると思います。もちろんそのほかの理論もいっぱいありますが、複雑に考えることがいつもいいとは限らないということも世の常なのかもしれません。要は上唇になるべく負担をかけずに、アパチャーの調節を顎を動かさないで、唇の周りの筋肉の収縮、それも下唇を中心としたものとした場合に、楽器は自然と上向くということなのだろうと思います。少なくとも、私には当てはまりました。

それと、もう一つが理論というのは結果であるということで、たくさん練習することの必要性を痛感しました。当たり前すぎて話にもなりませんが…。

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