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結局、自然体で吹くのがいいのか?

奏法さすらい記

もう何年も、何年もスーパーチョップスなどについて、試行錯誤を繰り返してきたのですが、最近、見た動画から、もしかして、それもありかなと改心?するようなものがありました。スイス在住の日本人の方木元大さんで、私よりちょっと先輩の方です。語り口も柔らかく、穏やかで、今は現役を引退されているということですが、こんな動画でした。

それで、これにチャレンジして、2か月ぐらいになりました。口を妙に作ることなく、自然にろうそくを吹くようにということを言われていましたのでそのようにしました。この方が半世紀以上前に最初に手に取った教則本の、唇を横に引く云々というやり方を私は知っていましたし、その教則本を確かに持っていました。しかし、その後、違う方が書かれた音楽之友社か何かで発売された教則本には、このろうそくを吹き消すような感じのやり方(確か、熱いご飯をフーフーと冷ます図)が紹介されていたように記憶してますし、なおかつトランペットのリードパイプに唇を当てて音を出すという唇に注意を集中させる方法まで紹介されていました。それも、かつてやったことがありました。ちょうど、何十年も吹いていなかったやり直しのトランペットの最初の教則本でした。それから、忘れ去られていたのですが、今更ながら、やってみるかという気になったのです。それと自然流というのがどうも日本人として、そそられるものがありました。

そうやってやっていくにつれて、トランペットの吹く角度も上昇し、少しずつですが、吹くのが楽になるという感じが興ってきました。従来のやり方ですと、どうしてもウォーミングアップに時間がかかるし、時間が空くと仕切りなおしみたいな状態になって調子が上がるまで、結構苦労していたのですが、以前ほどひどくなくなりました。昔から、ネット上ではアパチャーを狭めて高音を出す図なんかも紹介されていましたが、あんまり参考にならないと思っていました。それは私ができなかったからで、そこから、ややこしい問題を抱えたのかもしれません。

それと、以前、鉛筆をくわえて鍛えるという練習をして成果があったということをご案内しましたが、それは単にこの唇の形を結果的にまねるような形だったのかもしれません。実際、今では、鉛筆をくわえる方法の練習(以前紹介しています)で、このビデオで紹介されている唇の形を意識すると、4分ぐらいは楽勝にできるようになっています。それまで、下唇を内側に丸めてみたり、上唇を過剰に意識したりという方法を取ったときに比べると、雲泥の差で簡単にできるようになっていました。特に下唇の使い方が、かなりクリアーになりました。そのことでさらに、このやり方をもっと練習しようという気持ちになりました。

しかし、最初からうまくはいきませんでした。ろうそくを吹くような感じで吹くというのは、従来言われていた英語のMを発音するようなセッティングとはちょっと違います。むしろ、チンパンジーの表紙が印象的なあのマジオシステムと同じ気がします。まあ、気がするだけで、わかりませんが…。自然に唇をセッティングし、吹き口にだけ注意を集中させ、ほかの部分には力を入れない、そして、その息を吹き出す口を狭めたり広げたりすることにより、高低をつける(若干、口腔内の舌の位置が高くなったり低くなったりするようです)、そんな感じだと思うのですが、その狭めたり広めたりというのがなかなかできなかった。

原因の一つが、下唇を多少巻き込み気味にしたことによるものでした。では、なぜ巻き込んでいたかというと、従来から言われた英語のMの発音をするようなセッティングが頭にあったからです。さらに言うと、私には下唇がカップからはみ出してしまうという感覚が強く、醜く下唇を出すような(素人の癖に)素人臭いことはしたくないというあがきがありました。で、無理やり下唇を巻き込むということをしていたと思います。そうすると、今度はダイレクトに上唇に負担がかかって、上唇を巻いたり、寄せたりと忙しくなっていました。もしかすると英語のM、これでも自在に演奏できる人がいるのかもしれませんが、私はそうなっていませんでした。ということで、この形を本当にろうそくを吹くときのように変えてみました。極端な感じだとひょっとこのような感じですかね。そうすると次に起こった変化が、上唇に力が入らなくなりました。すぐには高音域を吹けるようにはなりませんでした。その理由が、楽器の角度でした。

音域を上げていくにしたがって、唇を絞めるような感じだという理解をしていて、それを実行していく中で、問題となったのが音のつまりでした。どうしても唇が閉じてしまうことでした。当然音は出ません。ここで何度もUターンしてまた元の吹き方に変えようかと思ったのですが、たまに楽にふける感覚が出てくるので、簡単にあきらめるわけには行かないと思い、続けてみました。そこで思い出したのが、やはりスーパーチョップスの初期の著作の中にあった内容でした。それは、音程を変えるときには下唇を中央に寄せるような動きが発生するということが書かれていて、それを実行してみました。これを実行するためには、下唇を巻き込んではできないことです。というか、かなりやりにくくなります。むしろ、ろうそくを吹き消すときのように唇をセッティングしてやると、自在にできます。さらに、付け加えると上唇はそんなに意識しなくとも、下唇をマウスピースに対して水平に(角度をつけずに)おいてやり、下唇の真ん中あたりを中心に寄せると自然と上唇もそれに呼応するように反応してくれるので、詰まらなくなります。そうしていくと、楽器は今まで下向きだったものが、上向きになり、妙な押し付け感がなくなります。そして、長時間の演奏もずっと楽になってきたと思います。気が付いてみると、下唇はよりカップの中に納まるようになり、これが一番意外な感じがしました。あんなに苦労していたのに、・・・。

それと、息を吐く方向ですが、従来は無意識にピボット奏法でいわれている向きを音域によって変えるというのが、この吹き方では意味がないこともわかりました。ピボットでいわれるアップストリーム・ダウンストリームというのを、この際意識しないで、なるべくまっすぐに息を吐きだすという方法を採用してみました。これは、以前から存在していた方法であり、知ってはいましたが、なかなかうまくいかなかったのですが、この自然流にはマッチするようです。というか、アップストリームだったりダウンストリームであったりでは、この自然流では音が当たらない感じがします。そんなこんなで、この方法をしばらくやってみたいと思っています。

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【それから、3カ月たちました。】

成果出ています。そして、理屈もある程度、理解できました。後ほど記事にします。

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そして、3年が過ぎました。

 考え方としては、間違いないと思います。要はこういうことだと思います。

これも言い古されている内容ですが、意識しているかというとそうでもない部分が多いかもしれません。

ところで、最初にご案内した奏法の考え方ですが、うまくいったかというと、ある程度は…というのが答えです。何がうまくいかなかったかというと、下あごを前に出し続けることが、難しいこと。そして、下唇がリムに引っかかる感じになることでした。これは、相当昔からそうで、なんとかならないかとずっと思っていることです。しかし、このような理屈をはっきりと意識し、志向することは必要で、それを、正道ではない視点から、考えると、まるっきり迷路にはまります。というかはまりました。

ここ最近の練習では、上記のような不都合があるので、5線内のFから上に5線の上のハイBbまでをリップスラーで上ることを最初にして、下唇が引っ掛からない感覚と、低音から高音域の口の動きを確認してから、練習しています。そして、70歳を超えて、力づくではない、あるいは息の勢いだけで、吹くこともできなくなった割には、ちゃんと音が安定してきた気がします。

最初の基本練習後に、中音域を練習することの重要性を最近よく感じます。それは、いろいろなことを試してみて、どうやったら、中音域をきれいに、無理なく出せるかということをやっています。

昔は中音域をすっ飛ばして、高音が何とか出ないかということで、四苦八苦し、いろいろと奏法を考えてみたのですが、それをやっていては、いくら時間があっても足りないということがわかりました。なぜならば、音域の拡大とセンターをとらえた音作りと同時にやって、奏法をいろいろ考えると、それだけで、選択肢が何倍にもなり、正確に自分の今置かれている奏法が正しいものかどうか、わからなくなるからです。つまり本当の理由がわからなくなり、横道にそれ、道草を食い、時間がたっていくということです。

例えば、中音域でも音域の変化によって、唇を寄せるとか、舌をどうするかとか、いろいろ試すことができますが、それに高音域をプラスしたら、何が何だか分からなくなります。だから最近は、中音域の5線内の簡単な曲を20分ぐらい吹いて、いろいろなチャレンジをして、吹き方の基礎を固めています。要は、いろいろな理論があり、それを当てはめるときにも、この手順が必要になるのではないかと思います。それのほうが頭も整理しやすくなり、もっと楽しく練習できます。

そういう視点から、その個人の個性というか、癖というか、唇の状況などから、自分自身のカスタマイズが必要なのは当然のことだと思います。

そして、いま、取り組んでいるのは、再度、スーパーチョップすとの融合です。これは、ここ半年ぐらい続けています。結果が出たら、また追加します。

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