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【奏法さすらい記】トランペットを吹く時の姿勢と舌の関係

奏法さすらい記

本日、また、いつものように、トランペットの練習をしてきました。どうも、最近、コルネットからトランペットに持ち替えて、とうしょすごく調子が良かったのが、だんだんと不調になってきて、正直、あせっています。

多分、気密性が下がっているということなのだと思います。つまり、舌がうまく、はたらいていない。気をつけていないとどうしても、舌の使い方が甘くなるということだと思います。そうなる原因のひとつが、やはり、トランペットの持ち方だと思います。

黙ってても、バランスが前方に落ちて行きます。比較的前歯が長く、どうしても舌が落ちやすいということで、どちらかというと水平に近い状態でないとうまくふけないということがあります。ほとんど例外なく、うまくコントロールできるときには、水平に近い状態です。

ナカリャーコフがどうしてあんな状況でふけるのか不思議です。マルサリスのような水平を維持する吹き方でないと、どんどん調子が落ちて行きます。まだ、結論を出すには早すぎますので、再度チャレンジしてみます。

《タイムトンネル・追記》このときから4年半が過ぎました。そして、わかったことがあります。確かに姿勢は重要ですが、その裏には唇のセッティングの仕方が関連してくると言うことがわかりました。これは、私が徐々に老化したと言うことに関連するかもしれないのですが、筋肉の衰えです。筋肉と言っても、腹筋だとか、横隔膜だとか、そんなことではなく、ごく単純に顔の筋肉が垂れ下がってきたと言うことです。早い話、高齢者の仲間に入った私にとっては、今の自分の顔はあんまり見たいとは思いませんが、はっきり言って紅顔の美少年からブルドック顔のじじいになってしまっています。すると、

どうなるか?

トランペットをごく自然にセッティングしただけでうまく吹けると宣うような比較的若い人とは違って、上唇がだらんとして、自然に構えていると徐々にコントロールが出来にくくなると言うことです。特に、高音域においては、そうだと思います。

トランペットのテクニックという本を以前引き合いに出し、上唇の先端が上の歯の先端の下に来ないようにセッティングせよ、といったたぐいのことを書きましたが、それが出来ていないんです。この記事を書いていたときには、そのことがよく見えずに、姿勢を正せばいいのだ、姿勢が問題なんだと思っていました。よくあることで、主な原因を取り違えて判断していたと言うことです(ありがちな誤解です)。

その後、迷路にはまって、鉛筆をくわえる方法とかで、唇周りの筋肉を鍛えることを約1年ほど、やっていた時期もありました。このトレーニングはそれなりに効果はあったのですが、なかなか調子を維持することが難しいと言うことがありました。調子にムラがあるといった方がいいのかもしれません。それは、毎日、練習できないということも関連するのかもしれません。

さらに迷走は続き、ジェローム・カレのスーパーチョップスのDVDや書籍を何度も読み、いろいろな仮説を立てて、いろいろな吹き方をチャレンジしてみました。そして、つい最近、ジェローム・カレがなくなった後に、ネット上に上がったジェロームカレのスーパーチョップスの初期の小冊子を読むことが出来て、あるヒントを得ることが出来ました。

初期の小冊子、SuperChopsには顔面の筋肉を使え、という記述があり、イラストがありました。このことは、私が高い金を出し、取り寄せたDVDやTrumpet Scretという本にはほとんど触れられていない内容です。また、初期の小冊子にはもう一つ、Trumpet Yogaというのがありまして、こっちの方にはペダルトーンの重要性が説かれており、DVDの内容と重複するような感じですが、なんと、こちらの小冊子のほうがより具体的に書かれております。そして、こちらをよく読むと、当時、はやっていたピボット理論と共通する記述も見られるのです。ちょっと、びっくりしました。

そして、特に顔面の使い方のモデルとして、ハリー・ジェームスの顔の動きをよく見ろという一文がありました(映画や何かのモノはアテレコの場合があるので、実際に吹いている映像を見る必要があります。)。今は、むかしのトランペッターですが、Youtubeで見られます。私は何度も見ていたので、あの感じかと言うことで、すぐにやってみると、まあ、なんてことでしょう。それまでのムラのある調子がまるで嘘のように改善しました。

具体的には、それまでは、頭では上唇の先端が上の歯の先端より下に来ないということを心がけてはいたのですが、どうしてもうまくいかなかったのでした。それで、舌を思いっきり前に出して、舌でもって上唇の先端が必要以上に下がることを押さえられるのではないかと考えて、それが出来ると思っていたのでした。なぜなら、トランペットシークレットという本にそのように書かれていたからです。

しかし、実際これをやると決まって上唇の先端に力が入ってしまっていました。どうすりゃいいんだろうという迷路にはまるのでした。そして、さらに悪いことには、たまに、うまくいくのでした。毎日練習しないので、さらに混迷を深めるという結果だったわけです。

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で、話が長くなったので、ここら辺で結論を・・・。早い話が、私の場合、ほほ骨のあたりの筋肉を使って、上唇が上の歯の先端より下に来ないように意識すると言うことでかなり改善できたと言うことです。よくよく考えてみると、これって、鉛筆をくわえるときに使っていた筋肉ですよね。だから、一時的にうまくいったのでした。もっともっと書き足らないのですが、この辺で・・・・。

【さらに、半年が過ぎて】

→姿勢が悪い→のどが絞まる→もととなる息の流れが途絶える→口で帳尻を合わせる→姿勢が悪いせいだと考える→うまくいかない この悪循環に気が付いてやってみると、割と楽にふけるようになってきています。例えば、人って理屈がはっきりしていないことはやりたくないし、続けたくないと思います。何言っているかというと、年齢的に私が高齢者となって一番それまでと違うのは、姿勢の維持が長時間できにくくなったことです。そして、自然と前かがみやまるでスマホをいじるときのような姿勢で吹くことが多くなったと思います。そうすると、いわゆるのどを絞めることになる。ということでどんどんうまく吹けなくなっていく。

世の中にはいっぱい奏法があって、どれが正解なのかわからないところがありますが、姿勢を正す意味をやみくもにではなく、こののどを絞めないでふくということ、というよりはのどを開いて吹くためには絶対必要なことだという風に考えるといいのではないか。そうすると、焦点があってきて、ただ姿勢を正すのではなくて、のどが開くのではないかということなのです。逆に、このところに焦点があっていないと、姿勢はピシッとしていても、のどを絞めながら怒鳴るように力んで吹くことになり、全然うまくいかないのだと思うのです。結果的に姿勢は関係ないという間違った結論に達してしまう。

では、のどを開くというけれど、どういう風にするかということになると思います。これについては、朝練トランペットの教本を書いた方がネット上でその理論を展開されていますので、それも参考になると思います。しかしちょっと難しく、抽象的ではっきり言って分かりにくいのです。私個人としては、のどを絞める感覚というのは、怒鳴る感じで息を吐くような感じで、のどを開く感じは歌を歌う感じだという風に単純化しています。ますますわかりにくくなったかもしれませんが、究極的には怒鳴ってはいけないということだろうと思います。それを地声で吹くなという感じの表現をしていますが、最近、ネット上で高音域は裏声で『ほ』という発音をしながら吹くといいという記述を見ました。どこか共通点があるかもしれません。ただ今検証中です。

では、この辺をスーパーチョップスでは、どのように言っているかというと、舌を前方にもっていくということで、のどは必然的に開くのだということを言っています。しかし、これには私は反対です。スーパーチョップスの要領でいくら舌を前方にもっていっても、のどのあたりが折れた感じの姿勢ではのどは締まるのではないかということです。のどは、通常は左右につぶれたホースのように広がっているのを、前後に広げて丸い状態にするというのが、単純化したのどを開くという行為だと思います。そのためには、やはりのどが楽な姿勢をとってやらないと歌えないはずです。

私は、調子がいいときには、幾分、頭を後ろにそらすような感じの吹き方をする場合が多いことを思い出して、なぜなんだろうと考えたのですが、こののどのオペレーションと多分関係があると思いはじまました。ラファエル・メンデスのような感じです。ただ、個人的には、今時恥ずかしくて、そんな恰好では吹きたくないという気持ちが働いていたのです。できればクールに吹きたい(天井向いて吹きたくない)。しかし、それは大スランプに陥ることでもありました。たまに有名なジャズトランぺッターの中で、突然吹けなくなる人がいました。ルイ・アームストロングやマイルス・デビス・フレディー・ハバードという人たちですが、肉体的な変化によるものもあるでしょうが、こののどを開くということと何か関係するのではないかと考えています。若いうちは、それでも勢いで吹ききっていたのが、その力が衰えてくると、よりのどを開くという大切さが比重を増すのではないかと思います。

もう一度、そのような組み立てで、スーパーチョップスの舌を前方にもっていくと、のどは自然と開くのだということを考えてみました。すると、自分のイメージしていた舌と、スーパーチョップスの言っている舌と違うのではないかと思い始めました。それまで自分は、舌について、口腔内に占拠している舌のみを意識していたのですが、どうやら解剖学的には舌はのどのあたりまで続く大きなものなのだそうで、そう考えるとなんとなく謎が解けてくるように思えるのです。舌を前方にもっていくということを、のどちんこのあたりから意識してやると確かにのどは開くのです。

一方、不調の原因の一つに、舌が口腔内で相対的に下がるというのがあったのですが、これはこのことの裏返しであると思うのです。そして、私自身の老化現象の中で、よくむせることが多くなったのですが、これって、のどの筋力低下だと考えると、この辺を意識する必要が以前より増したということなんだろうと思うのです。このむせる対策として、今、英語の勉強をして、たくさん喉を使うようにしています。これは非常に効果があります。半年ほどやっているとほぼむせなくなりました。肺のメンテナンスも兼ね、トランペットの演奏に何らかの効果も期待して継続したいと思っています。老人の死亡原因の大きな一つとして、肺炎がありますので、続けよう。コロナ対策にもなるかな…。

そして、コロナ3年目。

私は、継続して、英語を勉強しています。40代後半ごろ、書店にうずたかく積まれていた英語の書籍がなぜだか気になって仕方がなかった時期がありました。でもとっても難しそう。そんな英語の本を丸2年かけて丸暗記しました。結構有名な本で「DUO3.0」というのです。これとAnkiというアプリを使って、瞬間英作文のトレーニングを声に出してやってきました。今は、備考欄の派生語などを覚え始めています。て、トランペットの話とはずいぶん離れちゃいましたが…。健康維持のためのトレーニングの一環です。

で、トランペットのその後ですが、過去にいろいろ考えたことは全て捨てました。もっと単純にしないと、人生終わっちゃいます。そこで、たどりついたのが、こちらのビデオでした。

 このビデオシリーズに従って、練習をして、ずいぶんとあれこれ遠回りをし、頭でっかちになったのではないかと思い始めています。今私が練習前にやっていることは、唇のフラッターリング、ジェローム・カレの提唱したスピットバズとビデオの方がおっしゃられている自然奏法のための練習(主にマウスピースを逆に加えて息を吐きだして唇周りの作り方の練習をすること)です。ついでに、口を開けて舌を思いっきり前に突き出すのもやっています。これで、調子を作りつつ、ペダルトーンの練習をし始めます。

 ビデオの中でも言われていますが、歯と歯がまっすぐにそろうぐらいに、下あごを少し前にやるようにしています。これがなかなかできなかった。だから、だんだんトランペットもお辞儀してきたということがあったと思います。それで、発想を変えてみました。ビデオの方の演奏する姿を見ると、トランペットが水平より上に上がっている感じで吹いています。そこをまねて、吹いたのですが、当初はうまくいかなかったのですが、だんだんできるようになりました。できるようになった理由は、なるべく上唇に圧をかけずに乗っける感じでトランペットをセッティングし、それに合わせて下唇を前に持っていくという風にしたからです。つまり、もしかしたら、マウスピースに上唇がきちんとかかっていなかったということになるのかもしれません。こうすることで、下唇もコントロールしやすくなり、上唇に変な力を入れなくても済むようになっています。

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