楽譜のご紹介
1940年の作品で、服部良一さんの作曲です。翌年に太平洋戦争に突入するというタイミングです。そして、この曲は、戦時下で不適切ということで、発禁処分を受けます。
しかし、高峰三枝子さんが慰問に行くと、きまって大人気だったのが、この『湖畔の宿』だったということです。特攻部隊へ慰問活動をした時もいの一番にリクエストされるのが、この曲だったそうです。
私は、戦後の中年以降の高峰さんの姿しか知りませんでした。しかし、ある日BS放送で戦前の高峰三枝子さんの映画を見る機会があったのですが、そのぼけた映像でも、当時としては、高身長の今のモデルのような風貌であったことがわかる姿でした。共演男優より背が大きかった。
その後、1980年代だったと思うのですが、フルムーントラベルという国鉄(現JR)キャンペーンで、加山雄三さんの実父にあたる上原謙さんと風呂にはいっているCMが話題になりました。その時にはわかりませんでしたが、この2人の組み合わせは、かつてのオールドファンにとってはスクリーンで見た、戦前に隆盛を極めた二人のその後の姿ということです。
その前に、1970年代には犬神家の一族(角川映画)にも出演されていました。そして、そのまたちょっと前ぐらいには、この湖畔の宿は懐メロとして、よくテレビでも歌われていました。さらにさかのぼると、1960年代の中学の音楽の教科書に、この曲ではありませんが、これまた、高峰三枝子さんが戦前に歌って大ヒットとなった『宵待ち草』が載っていました。
当時、中学生で、トランペットをやり始めていた私は、家でこの宵待ち草を吹いていたら、母が寄ってきて、この曲を知っていると言い出し不思議に思いました。というのも、この曲がもともと大正時代に活躍した竹久夢二の曲だからです。なぜ、そんな曲を知っているのか不思議だったのですが、これが、昭和13年の大ヒット曲だったということが後になってわかりました。
そして、それは映画のテーマソングとして、高峰三枝子さんが歌っていたということも最近わかりました。てなわけで、ちょっとだけ、湖畔の宿のほうの楽譜をご覧ください。
楽譜はトランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると販売サイトに飛びます。
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