トロンボーンの奏法に昔から、『アップストリーム』と『ダウンストリーム』というのがありました。というか、今もあります。
人によって、息の流れをマウスピースの内側の手前に吹きかける感じが、ダウンストリーム、マウスピースの内側の上のほうに吹きかける感じがアップストリームということになります。
それにあわせて、ダウンストリームならば、マウスピースの位置は(顔の位置に対して)高くなり、アップストリームの場合はマウスピースの位置は低くなるべきであるというふうに言われています。
全体からするとダウンストリームの人が多いし、昔から正しいとされた吹き方ですが、例外として、アップストリームのほうがいい人がいるようです。また逆に言うと、マウスピースの位置を高くしたほうが吹きやすいならば、ダウンストリーム、逆ならばアップストリームだそうです。
詳しくは、http://www.wilktone.com/?p=12に書かれています。動画もあります。ただし、英語です。私も英語は得意ではなくても、ある程度想像がつきます。(こんなときに、英語が堪能だったら、どんなに良いかと思うのですが。類似の内容がYoutubeにいろいろあります)
なぜこんなに、トロンボーンのことを長々書くかというと、私、最初、トロンボーンを吹いていたのです。
中学生のときに最初に部活で担当したのがトロンボーンでした。そして、昔はトロンボーンなど、田舎では売っていませんでしたので、自宅練習用にトランペットを買ってもらいました。自宅でトランペットをよく練習していました(田舎だからできること)。
ある日、部室でコルネットを吹いていたら、部活の顧問の先生が、明日からトランペットを吹くようにという指示で、転向しました。そのときに、トロンボーンのなんという本だったか不明ですが、ダウンストリームについて書かれていて、そのまま、トランペットも同じように吹いていました。
そして、今、トランペットの場合に、このダウンストリーム、アップストリームというものをあてはめていいのだろうか少し疑問に思います。トランペットについては、あまり取り上げられることのない内容です。トロンボーンならば、確かに唇とマウスピースの間に多くの空間があるので、息の流れをコントロールしやすいですが、トランペットでは、むしろ舌の位置は問題になっても、息の方向について云々されることはないように思われます。
それで、これまた、理屈っぽくなりますが、トランペットの口の中では、音程をあげるときには、口腔内を狭めるために、舌を持ち上げるという感じになると思います。結局、この動作をすることにより、息は口蓋の上を這うように流れるはずです。ということは、唇の位置によって、それが、ダウンストリームか、アップストリームかというふうに変わってくるというだけで、そう意識する必要ないのではないか。もし、舌をうまくコントロールできないのであれば、高音域は口蓋に息を当てるかんじがいいのだろうということです。
そして、この仮定の下に、今日、息を口蓋に沿って、高音を出すようにしてみました。かなり、楽に出せるようになりました。それと、唇の先っちょの少し手前のところが振動体と思っています。そして、そこに直接、息を当てるより耐久力が上がる気がします。
いずれにしろ、週に2回から3回の練習での検証となりますので、気長にやるつもりです。
その他、参考となる練習方法The Stevens Isometric Exercises。あくまでも、自分のやりやすい方法を選択すると言う意味でご紹介します。
http://ojtrumpet.net/exercise/stevens.html
【追記】上記の奏法を『ピボットシステム』といい、全体の説明としては、 3年後のこちらの記事のほうがわかりやすいし、正しいと思います。そのうえでのアップストリーム・ダウンストリームだと思います。全体の説明も正確性が増していますので、ぜひ、参照してください。
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