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【奏法さすらい記】PPの練習をするために、こんな手もあります。

奏法さすらい記

今年は気温が高く、いつもの公園での練習にも結構人がいることが多くて、集中できないことが多いです。いつものように、週2回以上の練習ということを継続していますが、少し内容を変えています。ピアニッシモで吹くということを意識する練習をしています。

いろいろな人が、無理やり音を出すことの弊害を言い、また、逆に小さな音を吹くこと、その効果を強調する人もいっぱいいます。しかし、それを実行するとなると、キャットアンダーソンなどの特殊な練習方法などもありますが、個人練習の中では、どうすればいいのか、なかなか難しいと思われます。以前、教則本の中で、『朝錬 トランペット』という本をご紹介しましたが、その中にもロングトーンの練習の中に、これに近いことが言われていました。しかし、取り上げ方が中途半端で何か物足りないというか、不足している感じがしていました。
また、

息の使い方については、地声で吹くなとか、ベルカントがどうのとか、禅の呼吸法を使うんだとか、あまりにも難しいことが言われすぎている感じがするのです。もちろん、ある人には効果があるのだろうし、少ない自分の考え方だけで、否定はできないということも重々承知のうえです。それよりも、基本練習の中に、自分のレベルにあったぎりぎり、一気に吹ける練習曲を用意して練習すれば、必然的にピアニッシモで吹き、尚且つ、息や唇の十分、効果的な使い方や、それを維持する姿勢ができるはずだということです。多分、その先にあるのが、結果としてのベルカントであり、息を取り入れるためのテクニックということになるのだろうと思うのです。どうでしょうか。

ということで、今やっているのが、以前、触れましたクラークの基本的な練習の半音階の繰り返しを、各最低8回以上、繰り返しています。もちろん、スラー、タンギング、ダブルタンギングで、それぞれ実施しています。この効果がいい感じで出てきています。特に、低音域は本当にピアニッシシモ以下で吹かないと続かないということで、体感として音が出る唇というのが意識できるように思います。

そんな練習をしていて、さらに気づいたことがあるのですが、それはまた、次回。

追記、このメンデスの演奏の中に、一部、循環呼吸で演奏されている部分があります。演奏しながら鼻から息を吸って、ほっぺにためた息をつかって、エンドレスに演奏するというやり方です。マルサリスもどこかで同じようなことをしていました。

私が中学生の時に、バンドジャーナルだったか何だったか忘れましたが、この循環呼吸のことについて、質問コーナーで扱っていたことを思い出します。ある読者が、『循環呼吸の仕方を教えてほしい。』という質問をしました。その答えが、『そんなことができる人を見たことがない、そんなことを考える必要はない』ということでした。今から50年前は、こんなレベルでした。質問者に対する老婆心(もっと基本練習をしろ)ということでもないでしょう。

今は主流と考えられていたことが、実はデマだったり、一部の人にとっての理論だったりすることはありうるということで、そこがまたやりがいのあることなのかもしれません。

追加として、前出のキャット・アンダーソンの演奏をどうぞ。白人に多いハイノートとは少し感じが違うと思います。

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Cat Anderson – The Opener

上記記事を書いてから4年が過ぎて・・・。

ピアニッシモの練習で注意しなければならないのは、調子を崩すこともあるということです。もちろん、練習方法を誤ると、ということです。上記のような長く吹き続けるような練習ならいいのですが、ただ単にピアニッシモで練習すると、いわゆる「粘膜」奏法になる可能性があるということです。これで一時、非常に深刻なスランプに陥った時期がありました。粘膜奏法のほうがピアニッシモで吹きやすい音域があります。特に高音域を当てようとして吹く場合、割と楽に短時間、当てることができますので、それがいいことのように思いこんで全体の奏法を崩すということがありました。イメージとしては、口のさっきちょのほうで、吹くような感じで吹いてしまっていました。こうなると、耐久性も音域も維持できず、大スランプになります。あくまでも、唇の粘膜ではなくて、上唇全体で吹くようなイメージで、吹く感じで何とか修正できました。

大昔、高校生の頃、絶好調で、トランペットはもちろん、あらゆる管楽器にチャレンジしたことがありました。そして、どの楽器もストレスなく吹けたという時期がありました。その後、受験勉強のために辞めてしまったのですが、それではなぜそんなことができたのかというと、それは粘膜だけで演奏していなかったのではないかという仮説から上記のスランプを抜けることができました。つまり、粘膜を使わない奏法なんかないとは思いますが、それ以上に、粘膜だけで演奏することもできない。つまり、唇の粘膜と粘膜以外の部分を振動させて吹くほうが、より豊かで安定した演奏ができるはずだという仮説を立ててやってみることにしたのです。そうして、自分が考えた以上にうまくいったということです。もし、ピアニッシモで練習するならば、粘膜だけで吹くような格好にならないように、つまり、唇の先の粘膜寄りのところで吹かないように注意しなければならないということだと思っています。

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更に時は過ぎ

さらに2年近く過ぎました。最近は、もっと本質的なことを意識したほうが良いということで、こちらの奏法というか、考え方を採用しています。

 この中で紹介されているマウスピースを逆の方向から吹いて、唇の周りの筋肉の使い方や、息を吐きだすことでの臨場感のある練習により、かなり頭の中がクリアになりました。

 そして、この方が、他のビデオでおっしゃっている言葉で気になったことがあったので紹介します。それは、『大きな音を出すというのは、息の量を増やすということ』で、ここを間違っている人がいるということです。

 はじめは、ピンときませんでしたが、要は、大きな音を出すときに一般的にはアパチャーが不用意に大きくなりすぎる傾向にあるということなのではないかということです。だから、高音域などが出なくなってしまう。少なくとも、私はその傾向にあると気づきました。だから、PPの練習が必要になったのだろうと…。

 では逆に、大きな音をアパチャーを広げず、息の量だけ増やす練習をすればいいということになります。これは、すなわちダイナミックスの練習です。このダイナミックスの練習は、昔から奨励されていましたが、その理由がわからず、ただやみくもにやっていて、その効果はわかっていても、意識してやりたい練習ではありませんでした。しかし、この練習が上記のような効果を発揮するとわかれば、積極的に取り組めます。ppからttまでロングトーンでだんだん大きくしていくような練習をするのですが、その時に息の量を増やし、アパチャーを変えないという意識を持って対処すればいいということになります。

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