【奏法さすらい記】腹式呼吸のやり方と、演奏時のその活かし方。うまく息を吐ければ、自然とうまく吸える。

奏法さすらい記
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老化防止のために、いろいろなトレーニングを組み合わせて日常的に行っています。体幹トレーニング、スロトレ、アイソメトリックトレーニング、ストレッチ、筋膜リリースと本当にミーハーだと思いますが、グルグル回しています。で、結局やりすぎて、1週間ほど寝込んでしまいました。季節の変わり目になると、鼻炎から始まって、体調を崩すことが多くなりました。60代半ばとしては、普通のことかもしれません。

それは仕方がないとして、いろいろなトレーニングを通して、きついなあと思うことが多くなったわけですが、その原因が呼吸にあると思われます。つまり、十分に酸素が取り込めない。よほど意識して、やらないと筋肉は疲労していないのに、心臓や肺といったところに負担が来て、きついと感じられるわけです。その原因が呼吸にあると思い、意識して腹式呼吸をするようにしてみました。最初はぎこちなかったものが、ずいぶん楽になりました。

その方法は、昔、習ったマラソンの呼吸法といわれたものです。息は2回吸って、2回はくというものです。鼻で2回吸って、口で2回はく。真実はその逆で、2回はくから、鼻から2回すえるという感じじゃないかと思います。きちんとはくので、きちんとすえるということです。そして、鼻から吸うときに1回目はタイミングをとる感じで、2回目は下腹部まで吸い込む感じでおなかを膨らませて横隔膜を上げ(広げ)肺の容量を拡大するイメージですうという方法です。

意外と知らないランニング中の呼吸のやり方
私は陸上をやっていたわけでもないですので信ぴょう性はどうかと思います。ただ、腹式呼吸がよくわからないときには、ある程度参考になると思います。息を吐く方法としては、自律訓練法の方法がいいかもしれません。そもそも、私が十代のころ、自律訓練法というものに興味を持ち、その呼吸法を練習していたことがありました。それがベースにあります。数年間、やり続けたのですが、途中でたばこを覚えて、すっかりそのいい習慣をだめにしてしまいました。
そもそもなぜ自律訓練法を始めたかというと、最初は催眠術というものに興味を待ったからです。何か人を意のままに動かすことのできる催眠術には、思春期の子供には引き付けるものがあったわけです。しかし、書籍などはどうも嘘くさいものしかなくて、結局この自律神経訓練の方向に興味が向いていったということでした。

もう長い間やっていないので、どういう内容だったか詳しくは覚えていませんが、鼻から数秒間息を吸って、止めて、息をまた数秒間かけて出し切るという方法だったように思います。息を吐きだすときには、腹筋を使って出し切る感じでした。そのかんじが、歌声だとこんな感じになるのだろうと思います。

ロシアより愛をこめて (1963) 007 危機一髪 マット・モンロー
つまり、体を使ってコントロールされた息が、振動する声帯を震わせ切る感じが、このマット・モンローのロングトーンの最後に来る音の切れのようなものになるのではないかと。ということで、結構意識して部活のソロなんかでは、このような感じになるように、つまりしっかり息を支えて出し切る感じで吹いていました。それが、高校生の頃の吹き方でした。その後、タバコをすぱすぱ吸い始めて、だめになっていくのでした。
ところで、私が今取り組んでいるジェローム・カレのスーパーチョップスでは、息のことについては特別なことは言われていません。普通に息を吸えと言っていて、それ以上のことは言ってません。本当にそうでしょうか。鉛筆の方法でもふれたように、すでにできている人に対する物言いで、普通に吸えと言っているように思えます。

つまり、スーパーチョップスの奏法の説明にあるように、何の苦も無く、ウォーミングアップすら必要ないぐらいに、簡単でだれもができる方法というのは、毎日練習して、しっかりと基礎体力がついている人を前提に言っていることであって、毎日練習できない人やまだ十分に唇周りが発達していない人には眉唾物であるということです。

としたら、呼吸法だって、毎日練習しうる人のそれとは違うでしょうということです。いわば呼吸法の基礎みたいなものができているから、普通に息を吸えばいいだけだということが言えるのではないかということです。では、どのような呼吸をしたらいいのでしょうか。はっきり言って、わかりません。わかりませんが、腹式呼吸は必須事項です。これが必要ないとジェローム・カレも言ってはいません。

個人的なことですが、このことと関連して思うことがあります。最近、調子を崩すときの共通点に気づきました。調子が悪い時は、必ず、吹き込みすぎるということです。前にも書きましたが、たぶんオーバーブローということではないかということです。言葉にすると、そんなものかと思うかもしれませんが、ではオーバーブローとはどんな状態をいうのか、なかなか説明を尽くしているものを見たことがありません。ちょっと矛盾しますが…。よく、プロで鬼のように吹き込んでいるあれはオーバーブローではないのか?そんな素朴な疑問が浮かばないでしょうか。

Arturo Sandoval, Trumpet, National Anthem 1/1/09 Orange Bowl
私なりにイメージしているのは、息が体を離れて暴走する感じが、オーバーブローということではないかということです。息の量と唇の状態のアンバランスが発生していて、振動体としての唇が耐え切れなくなって、コントロールを失っている状態ではないかと思います。または、人によっては、息を力んで出している割には適切な支えがないために、適切な息の集中がなく、有効な息となっていないという状態ではないかと思います。本来は、息の塊が体内に意識できるのですが、その塊が塊とならないで、滝のように口を通して流れる感じで、トランペットに吹き込まれるような感じです。一回も塊にならず出ていく感じなんです。
息を風船のような塊のように意識して、ある程度の塊として、体内に感じた後に出すというのが本来のあるべき姿ではないかということです。つまり体内に塊があるから、空気の圧縮としての音が発生する…。そんな風に思うわけです。あの鬼のようなプロの吹込みは、トランペットに吹き込まれる前に、体内で大きな風船となっているはずではないか、そんな風に思うわけです。(そういえば、なんとなく演奏中の格好が小便小僧のように見えなくもない。)

これを演奏しようとするときに当てはめると、全部のフレーズを全力を出して、体の前に置くように吹くのではなくて、メリハリをつけて、体内に大きな風船、小さな風船、中ぐらいの風船ということで意識して、フレーズによって歌い分けるということが必要になるということではないか。そして、体内に風船を作るにあたり、腹式呼吸が生きてくるということではないかということです。また、その練習方法として、ある程度のまとまった曲を吹き切るということがいいのではないかと思っています。この検証も今後やっていきたいと思います。

なお、たぶん、私の禁煙期間は10年を過ぎたと思います。その間にたばこは倍近く高くなり、時間の節約とともに金銭的な節約もばかにはならなくなりました。一日2箱がルーティーンだったので、今も吸っていたら、毎月1万円以上の出費となったはずです。たぶん、毎年ヤマハのトランペットが1本買えるほどの節約です。10年たっていますので、車1台分の節約になったと思います。

トランペットに関しても、呼吸が相対的に浅くなることから、不利となると思います。というか、喫煙中は十分息を吐き切るということが、できにくくなるように感じていました。息を吸えと言えば、吸えるのですが、はき切れというと、ちょっとむせる感じになるという、一種の二酸化炭素中毒なんでしょうか。

ここで禁煙法を説こうとは思いません。たぶん、人によってうまくいく方法が違うと思うからです。このブログの趣旨でもありません。
最後は、とりとめもなくなったので、終わります。

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