楽譜のご紹介
菊池章子『星の流れに』という曲は、1947年にテイチクから発売された歌謡曲です。作詞は清水みのる、作曲は利根一郎で、戦争で家族や故郷を失った女性の悲しみを歌っています。
戦後まもなくに新聞に載った女性の手記からこの詩が作られたといいます。もと従軍看護婦だったその女性は、奉天から東京に帰ってきて、焼け野原で家族もすべて失われたため、「娼婦」として生きるしかないわが身を嘆いていたということです。そして、戦争への告発歌を徹夜で作詞し、作曲者は上野の地下道や公園を見回りながら作曲したといわれます。
当初、テイチクではコロムビアから移籍したばかりで、ブルースの女王、淡谷のり子に吹き込みを依頼したましたが、「夜の女の仲間に見られるようなパンパン歌謡は歌いたくない」と断られたそうです。そこで、会社は同じくコロムビアから移籍していた菊池に吹き込みを依頼した。彼女は歌の心をよく把握し、戦争の犠牲になった女の無限の哀しみを切々とした感覚で歌い上げました。
はじめは、『こんな女に誰がした』であったのですが、GHQから「日本人の反米感情を煽るおそれがある」とクレームがつき、『星の流れに』と変更になったということです。
この曲は当初は売れませんでしたが、娼婦たちの間で共感を得て、やがて大ヒットしました。映画『肉体の門』の挿入歌としても使われました。この曲は多くの歌手にカバーされており、天童よしみのバージョンは1991年のドラマ『星の流れに』の主題歌になりました。
私的には、『星の流れに身を占って・・・』というところがインパクトが強く、戦後すぐなので、西洋占星術なのか、それとも四柱推命など古来からあるものなのか、いらぬことを考えてしまったりします。そんなことはいいとして楽譜をご覧ください。
トランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると販売サイトに飛びます。
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