楽譜のご紹介
東京ラプソディーは、1936年にテイチクから藤山一郎さんの歌唱で発売された昭和歌謡です。作詞は門田ゆたか、作曲は古賀政男さんで、銀座、神田、浅草、新宿といった東京の繁華街をフォックストロット調で歌っています。この曲は35万枚を売り上げ、藤山主演の同名の映画も制作されました。
そもそも、ラプソディーとは何かということが気になります。これに先立つこと10数年前の1924年に作られたガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』という曲は今でも、CMなどに起用される有名な楽曲です。当時はジャズの創成期でもあり、ジャズはアメリカの音楽として、徐々にその版図を広げるところでした。しかし、それは白人の音楽ではない。ということで、ジャズの要素を入れたシンフォニックジャズというジャンルを作って、白人の面目を保とうとしたのかもしれません。その時、活躍したのが、ポール・ホワイトマンで、白人の間で人気を集めるようになります。その本人から依頼を受けたのが、ガーシュウィンで、できたのが、『ラプソディー・イン・ブルー』。
そのラプソディーというのは、民族的または叙事的な内容を自由な形式で表現した音楽のことです。ロマン派時代以降に多く作られ、高揚した感情を情熱的に表現するのが特徴です。様々な曲調や既存のメロディを取り入れているものもあります。例えば、リストの「ハンガリー狂詩曲」はハンガリーの民謡をモチーフにしたものです。これは想像でしかありませんが、当時のナポレオン出現以降のナショナリズムの台頭と無縁ではなかったと思います。
その影響があったものと思われるこの曲を私は、子供のころ、懐メロでよく聞きました。当時、私が受けた教育から、戦前の価値観はすべて悪という印象しかありませんでした。そして、たまに見る白黒で画質の悪い戦前の映像はそれを増幅するような働きしかありませんでした。藤山一郎さんが歌い上げる歌は、調子がいいものの、当時の人が抱いた何かの幻影的なものにしか思えませんでした。
しかし、最近は便利な社会になり、昔の映画などもyoutubeで垣間見ることができ、中にはカラー版にしたものもあらわれるようになって、改めてみると社会の営みというものは、それ自体、全然変わらないということがわかるようになりました。で、本当のところはどうなのかという疑問もわきます。まあ、そんな感想はいいとして、楽譜をご覧ください。
楽譜は、トランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると、販売サイトに飛びます。
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