楽譜のご紹介
今の若い世代は知りませんが、昭和世代には、まあ(まあまあではありません)、有名な曲です。知らない人はいないと思います。子供のころ、はじめてあらためて聞いた時に、このメロディーラインのなんとも日本の牧歌的なものを感じ、感動したのを思い出します。当時の映画の時代劇に流れる曲にも似ていて、妙に落ち着く感じの曲です。
それと、これはもしかしたら北国で育った人に響く「りんご」という言葉が琴線に触れるものだったのかもしれません。
子供のころ(昭和30年代初めから中ごろ)、りんごは1個5円で売っていました。近所の友達とそれを買って、半分ずつ、よく分け合って食べました。今のように、立派なリンゴではなくて、甘いというよりは酸っぱい感じの小ぶりのものでした。時期になると、贈答品として、木の箱に入ったリンゴが贈られることもありました。国道沿いにはリンゴの木も生えていて、身近な感じの果物でした。というか、果物というとそんなものしかありませんでした。バナナは遠足に持っていける家庭はわりと裕福な家庭だったと思います。
そして、この曲の途中でセリフが入るのですが、それがまた良かったように思います。まあ、そんなことはいいとして、楽譜をちらっとどうぞ。
楽譜はトランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると販売サイトに飛びます。
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演奏例
美空ひばりの『リンゴ追分』は、戦後の日本を代表する名曲のひとつです。この曲は、1952年にラジオ東京(現在のTBSラジオ)の開局記念番組として放送されたラジオドラマ『リンゴ園の少女』の挿入歌として作られました1。その後、同年に美空ひばりが主演した映画『リンゴ園の少女』の主題歌としても使用されました。
この曲は、青森県弘前市のリンゴ園で暮らす少女マルミが、自分の出生の秘密を知った作曲家野村と別れる際に歌う悲しくも美しい歌です。歌詞には、マルミが母親から受け継いだ歌声や、祖父と共に育てたリンゴの木々への愛情が込められています。また、リンゴ追分とは、リンゴを半分に切って分け合うことを意味し、マルミと野村の切ない別れを象徴しています。
この曲は、戦後間もない時代に、日本人の心に深く響きました。当時はまだレコードプレーヤーを持っていない家庭も多かったため、ラジオや映画でこの曲を聴くことができました。初回発売時には70万枚を売り上げ、その後も再発売されて通算130万枚のミリオンセラーとなりました。美空ひばりの全シングル売り上げの中でも歴代5位となっています。
この曲は、日本だけでなく海外でも愛されました。アメリカのエキゾチカ音楽の先駆者であるアーサー・ライマンが「Ringo Oiwake」としてカバーしたり、ジャマイカのスカバンドスカタライツが「Ringo」としてカバーしたりしました。また、日本国内でも多くのアーティストがこの曲をカバーしており、さまざまなアレンジで聴くことができます。
美空ひばりは、この曲を自身の代表曲として愛し続けました。1979年に紅白歌合戦30回記念として特別出演した際にも、メドレーの2曲目としてこの曲を歌唱しました。また、1989年に亡くなる前年に行った最後のコンサートでも、この曲を歌いました。