楽譜のご紹介
1957年の発表曲だったようです。調子のいい曲なので、酔っ払いが本当に茶碗をたたいて歌っていたような記憶があります。もともと、地方から集団就職などで上京してくる人が多かった時代ですから、そんなところが反映されてヒットしたんだという解釈もあるかもしれません。
私は、この三波春夫さんを見るたびに、OO7のDr.Noのモデルではないかと思っていました。『お客様は神様です…。』みたいなことを言って、洗脳し、一時世の中を混乱に陥れたわけです。もちろん冗談ですが、高度成長期の後期あたりに、つまりバブルの直前まで、この言葉が独り歩きし、その後の接客業に多大な影響を与えました。
私もまあ、接客業というようなことをやっていたので、その変遷というものを十分しているつもりです。私が新入社員で会社に入った当時は、こんな言葉はありませんでした。そして、苦情を受けても、話せばわかるという相互の妥協点がはっきり見えました。対象の客層が戦前生まれということもあったのだと思いますが、めちゃくちゃ怒鳴られ罵倒されても、あとから詫びられたりすることも結構あり、それで気が済むならという販売側の覚悟もありました。お互いに至らないことがあるという認識があったのです。この時代は銭湯が中心の時代で、コンビニもできたぐらいの時でした。そういった意味では、偉い人偉くない人の差がなかったのかもしれません。
まあ、それがバブル期に代わっていき、特に首都圏中央部で顕著になりました。時間を返せなどということを言われたり、明らかに素人が金を目当てに愚図って来るという質の悪い、昔は詐欺師として対処したような手口を使うようになっていき、今に至っているのだと思います。販売員に手を上げ始めたのもこのころからで、土下座しろというのも、この辺からでした。言ってくるのは当時の30代、40代の世代でした。
そんなことはいいとして、いつものように、ちょっとだけ楽譜をお見せします。
楽譜はトランペット、トロンボーン、アルトサックス、フルートの順に並んでいます。楽譜をクリックすると販売サイトに飛びます。
販売サイトのご案内
販売サイトはこちらです。Piascoreという楽譜専門販売サイトになります。楽譜の見本はトランペット用ですが、アルトサックス、フルート、トロンボーンの楽譜もございます。
演奏例
曲の由来など
「チャンチキおけさ」は、1957年6月に発売された三波春夫のシングル。
浪曲師・南条文若として活動し、歌謡界にデビューするために改名した三波春夫のデビュー曲であり、220万枚を売り上げる大ヒットとなりました。歌詞は、故郷を恋しむ思いに満ちた歌詞が当時、集団就職で都会に出ていた若者の郷愁を誘うものでした。
NHK紅白歌合戦では、発売から23年もの月日が経った1980年の「第31回NHK紅白歌合戦」で初めて歌唱され(対戦相手は同じく自身の代表曲「三百六十五歩のマーチ」を初めて歌唱した水前寺清子であり、初歌唱対決)、1982年の「第33回NHK紅白歌合戦」でも歌唱されました。
翌1958年7月6日には、本楽曲を題材にした同名の映画が公開され、三波も出演しています。
三波の出身地である新潟県長岡市には、三波の銅像、三波本人の直筆による句碑とともに、本楽曲の歌碑が建立されています。
東京都中野区江古田にあった三波邸(現在はマンション)前の通りは、地元住民から本楽曲にちなんで「ちゃんちき通り」、自宅は「おけさ御殿」、「ちゃんちき屋敷」と呼ばれ親しまれました。