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昭和歌謡メロディー譜『不思議なピーチパイ』竹内まりや

楽譜のご紹介

 竹内まりや『不思議なピーチパイ』は、1980年に発売された竹内まりやの4枚目のシングルです。この曲は資生堂化粧品の春のキャンペーンソングとして使用されました。曲名は土屋耕一考案のキャンペーンタイトル『ピーチパイ』に糸井重里が『不思議な』を付け足したものです。この曲は竹内まりやにとって初めての大ヒットとなり、オリコンチャートで最高3位、年間30位を記録しました。また、TBSテレビの人気番組『ザ・ベストテン』でも最高3位、年間42位にランクインしました1。

 この曲の歌詞は、新しい恋にドキドキする女性の気持ちを表現しています。恋はその度に違う自分を見せてくれるというフレーズが印象的です。その幸せな気分は、フレッシュでみずみずしい魅力たっぷりのピーチパイのようだと歌っています。ピーチパイに不思議なという形容詞が付くことで、言葉の力が加わり、よりマジカルで魅力的な歌詞になっています。

 この当時、似たような曲はあったように思いますが、この『不思議な』というのが、やはり耳に残っていたのだと思います。この一昔前なら、このような感覚的な言葉が受け入れられていたかどうかわからないと思います。10年前に井上陽水さんが、やはり割と感覚的な言葉をちりばめた曲を作っていましたが、それは主に若者のもがく様子だったように思います。1970年代はまだまだ、理屈前提の思考方法が若者には良しとされていたのだと思いますが、80年代に入ると、より感覚的なもの、感じるままの方向にベクトルが変わったように思います。それと商業主義の侵攻が後押しします。

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 昔受験勉強の時に現代文の中のキーワードとして覚えなければならなかったのが、ザインとゾルレンというのがありました。ドイツ語でsein と sollenですが、 中国語で言うところの当為と実在です。 つまり、ザインとは現実であり、ゾルレンとは理想。70年代に理想を失った若者が、現実に納得するのは、やっぱ、感覚でしょう。ということで、この『不思議なピーチパイ』。まあ、たとえがちょっと強引かもしれません。同じ受験のキーワードとして、アウフヘーベンというのがありましたが、それを使った人よりはましかもしれない。

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演奏例

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