楽譜のご紹介
この曲はミッチ・ミラー合唱団の歌で耳にしている曲だと思います。といっても若い人にはわからないと思いますが、60年ぐらい前にNHKで紹介されて、毎週のように見ていた男声合唱団です。有名な曲としては、史上最大の作戦のマーチやボギー大佐などですが、この曲もその中の一つです。この番組で耳にすることができました。
5つ年上の兄は特にこの番組が好きで、その後数年たって、大学に行ってグリークラブに入ったくらいです。ただ、楽器はハーモニカぐらいしかできず、楽譜も読めず、1年でやめました。年末の第9で口パクがばれたようです。
昔は、田舎育ちと都会育ちの人の差は相当な開きがあり、今で例えると都会ではスマホなのに、田舎ではまだ黒電話ぐらいの文化的な差はあったのではないかと思います。当然、兄の世代では音楽教育を受ける場なんぞ、田舎に存在するわけがないのでした。
この曲の歴史的な背景として、アメリカとメキシコの戦争があったということで理解していましたが、どうも違って、メキシコからテキサスが独立したというのが真相のようです。
1836年のことで、そんなに古いことではないのですが、メキシコから独立というのがどうもすんなりとは理解できないところです。大昔の歌手に小坂一也という人がいましたが、デイビー・クロケットというこの戦争で活躍した人の歌を歌っていましたが、どうやらアメリカの英雄のようだということだけは知っていましたが、なんでそこまで騒がれてジョンウェインの映画となっているのか、意味がさっぱり分かりませんでした。 逆に考えると、源義経についての映画をアメリカ人に見せるようなものだと思います。
そんなことはいいですが、なぜ、メキシコとアメリカの戦争ではないかというと、当時のアメリカは州ごとの独立国の集合体だったということで、一つの国家ということではないということです。だから、メキシコから独立した戦争なんだそうです。
この曲で歌われている黄色いバラとは、テキサスに実在したエミリー・モルガン(Emily Morgan)という混血の若い女性を指していて、もともとが奴隷の身分でしたが、メキシコ軍の将軍に捉えられて愛人にされていたのだといいます。
そして、テキサスの独立をめぐり、メキシコとテキサスで戦争になったおりに、この将軍から得た情報をテキサス軍側に流していたといいます。(そういえば、なんかの映画で見た記憶がありますが、題名がわかりません。)
テキサスというと、野球のダルビッシュのいたところという感じでしょうが、1960年代ごろには、日本人にとって違った意味を持っていたと思います。
すなわち、映画でよく取り上げられており、アメリカの中のアメリカみたいなところという認識があったように思います。少なくとも、私はそうでした。
この曲はテキサスを舞台とした古ーい、『ジャイアント』という映画にも使われています。ジェット(確か、ジェームス・ディーンの役名)のテーマで、編曲して使われていました。
また、ジョンウェインの映画の『アラモ』(メキシコからテキサスが独立する戦争をテーマにした映画)などもありました。テレビではテキサス決死隊というのもやっていて、その後の西部劇などはみんなテキサスが舞台であるかのように、幼い私は錯覚するほどでした。
あえて間違えを恐れず、記憶だけに頼って思い起こしてみます。今は何でも調べればすぐにわかりますが、便利すぎて馬鹿になりそうなので…。この動画で流れている曲をよく聞くと、テキサスの黄色いバラをベースにした曲であることがわかります。それには訳があります。
動画のこのシーンは牧場主から独立して自分の土地を手に入れた青年の喜びを表現しています。まるで、テキサスがメキシコから独立したことをたたえているのが、このテキサスの黄色いバラという曲であるようにです。
この青年の心境を写すようにこのシーンにぶつけているのです。この青年はとりえもなく、金もなく、下働きしかできない孤独な青年です。しかし雇い主の男勝りではあるが情に厚い女主人に憐れんでもらい、女主人が亡くなるときにわずかばかりですが、土地をもらう幸運に恵まれます。
この土地を掘削して石油を当てて、青年の人生は大きく変わっていきます。たぶん、そんな内容だったように思います。全体的なストーリーとその後どうなったかは、こちらでどうぞ。