楽譜のご紹介
シュトラウス1世のほうの曲です。日本で知られている曲の多くは息子の2世の曲が多いです。この人(1世のほう)の人生は結構、面白く、正式な音楽教育というのを受けていた形跡がなく、ヴァイオリン弾きとしての生活や、止むにやまれず作曲したりとか、結構、紆余曲折の生涯です。個人的には肖像画を見る限り、音楽家にしては結構いい男に見えます。割と細かいことまで、Wikiに載っていますので、2世との違いもはっきりすると思います。
この曲は、そもそも、ヨーゼフ・ラデツキー、この人をたたえるマーチです。
時は、1848年でありまして、北イタリア独立運動を鎮圧するオーストリアの将軍、それがラデツキーなんだそうです。まあ、英雄礼賛といいますか、オーソドックスなマーチの発生形態ともいえます。
同年起こったことを並べると、カリフォルニアで金鉱発見、マルクス「共産党宣言」、パリで二月革命でまだナポレオン三世は登場していないというところです。ペリーもまだ日本に来ていないときです。ただ、随分前にアヘン戦争(1940年)で中国の状況は変化してきているときでした。そんなときに、ちょっとのんきな感じのする行進曲です。だから弱かったのかなオーストリアは・・・なんて思いますけど・・・。
この曲は、新年に聞く曲です。最近、20年以上紅白は見ていませんが、替わりになんとなく正月に見てしまうのが、新年コンサートです。そして、定番のラデッキーマーチを見てしまいます。スーザのマーチと同様に自然と耳に残り、知っている曲となっていた感じの曲です。
ところで、この曲、如何にも騎馬行進曲という感じです。1848年作曲ですから、当然、車はありませんので、馬を使うしかなかったわけです。そこらへんがスーザと違うところです。
スーザには蒸気機関車のリズムを感じます。「士官候補生」「雷神」「美中の美」など、機関車のぎしぎしした感じが出ていませんか。戦後の日本の歌謡曲なんかにもこの機関車リズムが出てきます。代表的なのが舟木一夫さん(修学旅行、高校三年生)や春日八郎さんの曲(赤いランプの終列車)などです。ちょっと若い方にはわからないかもしれませんけれど、他にもいっぱいあります・・・。その後、車社会になってくると、車の刻み(フランク永井さんの曲など)になってくるということで、そういう見方も出来ないでしょうか。