楽譜のご紹介
曲のタイトルは北アイルランドの州の名に由来しています。この曲はロンドンデリー州(デリー州)リマヴァディのジェイン・ロスにより採譜されたものです。つまり、掘り起こされた楽曲なわけです。
彼女が聴いたのはタイトルも歌詞もない器楽曲としての演奏でしたが、それ以上のことはわかっていません。ロスはこれを音楽収集家のジョージ・ペトリに預け、この曲は彼の編纂による1855年発行の「The Ancient Music of Ireland」(アイルランドの古代音楽)に収録されました。
この書物には無名の曲としてリストされましたが、「ロンドンデリーのジェイン・ロスの収集による」という註がつけられたため、この曲は「ロンドンデリーの歌」として知られることとなったわけです。
また、この曲はダニー・ボーイとしても知られていますが、その「ダニー・ボーイ」 (Danny Boy) は、アイルランドの民謡であり、「ロンドンデリーの歌」として知られる旋律に歌詞を付けたものです。この旋律は「ダニー・ボーイ」のほかにも数多くの歌詞で歌われています。
この歌詞はイングランドの弁護士、フレデリック・ウェザリーの作です。元々は別の曲のために1910年に作られた詞でしたが、それは広く知られるには至りませんでした。1912年にアメリカにいる義理の姉妹から「ロンドンデリーの歌」の楽譜を送られると、彼は翌1913年にその詞をこのメロディーに合うように修正して発表しました。
女性の立場で男性に別れを告げる歌として解釈できる内容ですが、この歌は男性歌手によっても多く歌われてきました。また両親や祖父母が戦地に赴く息子や孫を送り出すという設定で解釈されることも多いです。
また、このロンドンデリーの『デリー』とは何のことか。デリーとは「オークの森」を意味するアイルランド語の「Daire」もしくは「Doire」を英語化したものであるそうです。もちろん、ロンドンデリーとは地名ですが、ロンドンのことを言いません。勝手な勘違いで、ずっと私は、ロンドン近郊のお話かと思っていたら、北アイルランドの地名ということが今わかりました。
では、インドのニューデリーのデリーもにたような語源なのか?これも、間違いで、そもそもがデリーという地名があって、その新しい地域、新横浜みたいなところが、ニューデリー。