楽譜のご紹介
サリーガーデン?・・・墓地の名前ではありません。サリーとは、柳の木のことを言うようです。昔のアイルランドの村には、日本でもあった入会地のようなスペースに、屋根の材料にするための柳の林を持つという風習があったようで、そこを指すのが、サリーガーデンということらしいです。そして、この曲の持つ時間を意識させるメロディーととてもよく合うのだろうと思います。
この曲はアイルランドの伝統的な民謡なのだそうです。アイルランドの曲で日本に紹介されている曲はどれも、癒し効果が抜群で、親近感を感じます。多分、明治以来の音楽教育の影響だと思います。日本の普通教育における音楽教育はアメリカから招いた音楽教育家メーソンのもと、『小学唱歌集』1881年という形で普及されていて、その中には、『蛍の光』『庭の千草』などヨーロッパ民謡や歌曲が取り上げられていたということです。
アイルランドというとアメリカに移民として19世紀に渡った人々が多いというごく薄い歴史の知識がありました。歴史の教科書にもそんなに特別な記述もなかったと思います。ただ、イギリスの圧政の下で、1840年代に主食のジャガイモの病気が蔓延して、大飢饉になり、追い打ちをかけるようにチフスの流行があり、人口の1割以上がなくなったということです。その中で、新大陸を目指す人が出たということらしいです。イギリスとの関係の複雑さも、その後に起こったこととなっています。
アイルランドの歴史については、こんな歴史の授業の動画がありました。