楽譜のご紹介
この曲は、アイルランドの詩人トーマス・ムーアが1808年にアイルランドの伝統的な歌を使って書いた人気曲です。
この日本語の題名だと意味がなかなか通じませんが、英語だと”Believe Me, If All Those Endearing Young Charms”となって、結構具体的です。要は、若さがなくなって、醜くなっても、愛し続けますよという感じの内容です。1600年ぐらいからの民謡ということで、相当古いものです。
それに、詞をつけたのが、トーマス・ムーアで、1808年のことです。その詞は、天然痘に侵されすっかり外見が変わった妻に捧げるものだっとということです。
ムーアの妻、エリザベスが天然痘にひどく傷ついた後、彼女は自分自身を醜くて可愛らしくないと信じて部屋を出ることを拒否したと考えられています。彼女への愛を確信させるために、ムーアは「愛情のある」詩を作って、アイルランドの古いメロディーに合わせ、彼女の寝室のドアの外で歌ったということです。彼は後でこれが彼女の自信を回復し、彼らの愛を再点火したと書き残しています。
何とも意味は分からずとも、すがすがしいというか、懐かしさを感じるというか、スコットランドやアイルランド民謡などには、そんな気になります。専門的なことはわかりませんが、多分、死や生のはかなさみたいな感じが伝わるのだと思います。というか、この時代のアイルランドは主食のジャガイモの不作やイギリスからの搾取、そして、天然痘の流行など大変な時代を過ごすことになります。