楽譜のご紹介
四季(イタリア語:Le quattro stagioni)は、イタリアの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディが作曲した4つのヴァイオリン協奏曲で構成されています。それらは1721年頃に書かれ、アムステルダムで1725年に出版され、さらに8つのヴァイオリン協奏曲(Il Cimento dell’armonia e dell’inventione)も出版されました。
四季はヴィヴァルディの作品で最もよく知られています。ヴィヴァルディは彼の音楽が求めていた季節の描写を、当時では珍しく、ヴィヴァルディ自身によって書かれた詩をつけて発表しました。これは、後でナレーション要素を伴うプログラム音楽と呼ばれているものですが、最も初期で最も詳細な例の1つとなっています。
ヴィヴァルディは、詩のテキストにあわせ自分の音楽を関連付けるために大きな苦労をし、詩的な行をページ上の音楽に直接翻訳していきました。 羊飼いが眠る春のコンチェルトの中間部分では、彼の吠える犬は、ビオラのセクションで表現することができました。他の自然発生も同様にひねり出しています。ビバルディは、各協奏曲を3つの楽章に分割しました。
第1楽章 アレグロ
春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら祝っている。小川のせせらぎ、風が優しく撫でる。春を告げる雷が轟音を立て黒い雲が空を覆う、そして嵐は去り小鳥は素晴らしい声で歌う。鳥の声をソロヴァイオリンが高らかにそして華やかにうたいあげる。
このような劇のト書きみたいなものがいちいちついているのが、このヴィヴァルディの『四季』ですが、イメージしやすいうえに、思い込みも少なく、大変後世の人間としては助かります。ヴィヴァルディー自身がつけたものであるとされています。
私の記憶に、やたらと取り上げられるヴィヴァルディーの『四季』というものがありました。もう60年ぐらい前から、やたらとこの曲を聴くということになるわけですが、どうしてかわかりませんでした。それが、ついさっきわかりました。
どうも、この曲が世界的に取り上げられたのが、本当につい最近のことで、1952年のローマの聖チェチーリア音楽院の卒業生12名が集まって結成したイ・ムジチ合奏団が、取り上げたことがきっかけであったようです。日本では当時、クラシックはありがたき音楽、高尚な音楽、という扱いを受ける中での、そこからの、由緒正しき合奏団の世界的ヒットということで、乗っかったのだろうと思います。ちょっと表現がゲス(この記事を書いたときにマスコミが騒いでいたキーワードです)ですが、そういうことが多かったのでしょうがないでしょう。きっかけはともかく、すっかりおなじみの曲になりました。
話は脱線ついでですが、このヴィヴァルディーの曲は、どんな自然の中の春なのだろうと思って、ヴィヴァルディーの生まれた年を調べたところ、1678年だそうです。イタリアのベネチア生まれです。この時期のヨーロッパは寒冷期で、寒い冬を迎えていたということですから、こんな曲の感じになるのかなあと思います。逆に、10世紀から14世紀あたりまでは、ヨーロッパの温暖期だったそうで、それに呼応してバイキングが活躍したり、十字軍の遠征が起こったのだということがあるそうです。
楽譜はというと、春といえば、ヴィヴァルディーの四季のこの曲ということで上げましたが、ちょっと胡散臭い楽譜ではあります。でも、ただ、曲として聞くよりも楽譜を通して、自分の楽器で音を出して、また、曲を聴きなおすといろいろ発見があって楽しいということも私にはあります。難しい部分もありますので、そのうちに吹けるようになればいいかなと、・・・、そして、吹けるようになると、また楽譜の修正もあるのかもしれません。