楽譜のご紹介
『双頭の鷲の旗の下に』(そうとうのわしのはたのもとに、ドイツ語: Unter dem Doppeladler、英語: Under the Double Eagle)作品159は、ヨーゼフ・フランツ・ワーグナーが1880年代(1902年という説も)に作曲した行進曲。『双頭の鷲の下に』と呼ばれることもあります。明快かつリズミカルな曲調でワーグナーが当時オーストリア=ハンガリー帝国の軍楽隊長であった時期に作曲したものであり、曲名にある「双頭の鷲」は同国のシンボルです。日本では運動会などの行進曲としてよく用いられます。
この曲がスーザの行進曲と違う、ヨーロッパのものだということが、アコーディオンの演奏でわかるのがありましたので、ご紹介します。なんとなく、チロルの感じがありませんか?作曲したのが、オーストリア・ハンガリー帝国の出身者であることと無関係ではないと思います。
19世紀後半から20世紀にかけて、ハプスブルク家支配のこの帝国は、もともと国内にドイツ人とマジャール人(ハンガリー人)とほかの民族もいて、ヨーロッパの革命以降の国民国家への転換期に、第1次大戦へつながるような不安定な状況となります。だいたい、2つ合わせて国力維持しようというのが無理な話だったと思います。しかし、それは対ロ対策でもあって、難しい問題でもあったわけです。