楽譜のご紹介
明治11(1878)年に札幌農学校の演武場として創設されたのが正式名称「札幌市時計台」です。札幌農学校は北海道大学の前身で、近代技術を導入し北海道開拓の指導者を養成する目的で開校しました。時計台は、農学校生徒の兵式訓練や心身を鍛える体育の授業に使う目的で建設され〝演武場〟と呼ばれました。国の重要文化財に指定された今も、時計台の時計は正確に時を刻み、鐘の音を鳴らし続けています。
北海道といえば、”Boy’s be ambitious!”のクラーク博士が知られています。そのクラーク博士の発案で、この建物が立ったということです。アメリカ風の建築様式なのだそうです。
札幌の郊外の丘の上にクラーク博士の銅像が建っています。時計台を見に行った時に、帰りにこちらも寄ってみました。50年以上前の話です。しかし、印象に残ったのは、これらよりも札幌にあったフルヤという会社のキャラメル工場のラインでした。甘い匂いに包まれて、幸福な気持ちになれました。
この曲も最近は、音楽の教科書にも載らなくなって、知らない若者も多いようです。
私の子供の時には、明治維新から100年ぐらいでしたので、こういう維新の歴史遺産などの風物に関しては、ずいぶんマスコミで取り上げられることがありました。
代表格として、愛知県の明治村なんかが作られたりしたのも、戦後の急速な変化のなかで、遺産を残そうとするものでした。現在は様々なテーマパークがあり、明治村などは人気がないのかもしれませんが、50年以上前は人気があったのだろうと思います。
曲のほうは作曲者がバイオリニストで札幌に演奏に来たところで、作ったのだそうです。今は、ビルのはざまにひっそりと建っていますが、当時はビルはありません。まさに詩の内容の通り、洒落た洋館の時計台という面持ちだったのだと思います。歴史のない新天地にふさわしいものだったと思います