楽譜のご紹介
「君が代」は、日本の国歌で、その歌詞は10世紀初頭に編纂された勅撰和歌集『古今和歌集』の「読人知らず」の和歌からとられたものです。この歌は、元々「祝福を受ける人の寿命」を歌った一般的な意味もので、後に「天皇の治世」を奉祝する歌となりました。
1869年(明治2年)に薩摩琵琶の『蓬莱山』にある「君が代」を歌詞として選んだ歌が原型となりました。つまり、曲的な節がつけられたということでしょう。その後、1880年(明治13年)に宮内省雅楽課が旋律を改めて付け直し、それをドイツ人の音楽教師フランツ・エッケルトが西洋和声により編曲したものが、1893年(明治26年)の文部省文部大臣井上毅の告示以降、儀式に使用され、1930年(昭和5年)には国歌として定着しました。しかし、これで正式に国歌となったのではありません。
それから、70年近くたった1999年(平成11年)に「国旗及び国歌に関する法律」で正式に日本の国歌として法制化されました。つまり、20世紀の終わりまでは正式な国家ではなかったのでした。この事情というのは、アメリカの国歌も同じです。
なお、「君が代」の歌詞は「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」となっており、これは「小石が成長して大きな岩となり、それに苔が生えるまで」という意味で、限りない悠久の年月を表現しています。この歌詞は、世界の国歌の中でも最も短いものの一つとされています。このように、「君が代」は日本の歴史、文化、価値観を象徴する国歌となっています。
例えば、フランスの国歌なんかは、自由のために、皆殺しにしろとか、大変物騒な国歌の内容です。しかもすさまじく長い。日本では残酷でも、長くもないのです。
しかし、一時ひどい扱いを受けてきた曲でした。曲のどの部分をとっても、戦争なんかを歌ってもいないし、曲調もそうではないのですが、・・・。情緒的に戦争を始め情緒的に否定するということは、同類です。日の丸の扱いもそうです。しかし、昭和30年代ぐらいまでは、ちゃんとした家は祝日には門に日章旗を掲げたものです。
曲としては、最後の大太鼓がどんどんとやるところが好きです。この間、youtubeで京都の歴史的な祭りを見ていたら、やはり、大太鼓のドンドンという音が、聞こえ、もしかしたら、このイメージで、この大太鼓の音が入っているのではないかと思いました。中学生の時に何回か演奏した思い出がありますが、その時には、まだ君が代云々の問題はなかったのかもしれません。