この曲の作曲家はトロンボーン奏者です。近くの少年が犬と戯れているのを見て、この曲を作ったといわれています。真実はわからないそうです。ただ、感じがよく出ています。
ペットとしての犬は、日本においては、多分、戦後になってからのことだろうと思います。公園に散歩に来ている犬なんかは、どの犬を見ても吠えず、噛みつかずです.しかし、半世紀以上前の私が子供のころの犬は番犬(外飼い)が多かったし、鎖につながれない犬もおり、吠えるし、場合によって噛みつくという厄介なものでした。当時、子供の間では、狂犬病にかかった犬のおどろおどろしい様が口伝えで広まって、さらに恐怖心を駆り立てるものでした。実際、狂犬病があったのでした。
作曲者の略歴
この曲の作曲家のアーサー・プライヤーはミズリー州のセント・ジョセフに生まれました。彼は、オリジナルプライヤーバンドの創設者にしてバンドマスターのサミュエルプライヤーの子供として生まれます。アーサーは彼の父の手ほどきで大変若くして音楽を仕込まれ、11歳になるときには、バルブトロンボーンを演奏していました。
伝わる話としては、練習中に変な音を出すといつも、彼の父親がバイオリンの弓で音がするほど殴ったということです。
少年はジョンヒリップススーザバンドに籍を置くまでに上達しました。彼は、天才として認められました。その後、スーザ楽団でヨーロッパやロシアなどで、ずっとファーストトロンボーン奏者として、またソロ奏者として、高い評価を得ています。
作曲のほうは、この1曲しか有名になっていないようですが、1曲で十分だと思います。もともとオーケストラ用の曲だそうです。
曲の由来
『口笛吹きと犬』(くちぶえふきといぬ、The Whistler And His Dog )は、アメリカのトロンボーン奏者アーサー・プライアー (Arthur Pryor) が作曲したオーケストラのための作品。プライアーの作品の中でも有名で、多くに知られている。
1905年に作曲されましたが、詳しい作曲の動機は未だに不明です。しかしプライアーの少ない作品の中で、この作品だけが多く知られ、演奏されることが多いです。なお、この作品のモデルは、プライアーが飼っていたロキシーという愛犬です。ここらへんは、実際よくわからないということも言われているようです。
日曜日の朝の公園、少年が現れて口笛を吹くと、遠くから駆け寄ってくる小犬の姿がある。少年と小犬はじゃれ合い、スキップしながら、少年と小犬が遠ざかって行く。という一場面を音楽で表現しています。
犬を題材にした曲の中でも、有名な曲だと思います。出だしのところがとてもファンキーです。この感じでは、ショパンの子犬のワルツよりは成犬に近い犬だと思います。