楽譜のご紹介
ピアノソナタ第11番[1]イ長調 K.331(K6.300i)の第三楽章が正式の名称です。有名な「トルコ行進曲」であるため、「トルコ行進曲付き」と呼ばれることが多く、この楽章だけが単独で演奏される機会も良くあります。
ヴェートーベンも手掛けたトルコ行進曲ですが、そのトルコは当時どういう状況だったかというと、もうすでにオスマントルコも衰退期に入っており、西欧諸国に圧力をかけることもなく、どちらかというと融和策をとっていた時代です。
モーツアルトが生きた時代は1756年から1791年ですが、晩年には露土戦争で、クリミア半島の一部をロシアに与えてしまったりしています。そんなトルコの兵隊がどんな風に映ったかというと、行軍の時にメフテルと呼ばれる軍楽隊を引き連れていくことが多く、その独自のリズムとメロディーは当時のヨーロッパの人々に大きな衝撃を与えました。そんな背景からできた曲ということです。