楽譜のご紹介
コロベイニキとは、革命前のロシアで布や雑貨、本などを売り歩いた行商人のことです。1861年、雑誌『ソヴレメンニク 』上でニコライ・ネクラーソフが発表した長編詩「行商人(コロベイニキ)」の一節に旋律がつけられて民謡化したものとされています。
民謡化された部分の冒頭のフレーズから「Ой, полна, полна коробушка(おお、箱の中は一杯だ)」とも呼ばれています。さらにこの冒頭部分に現れるкоро́бушка(カローブシカ、行商人の背負う箱という意味)の語から「コロブチカ」のタイトルでも知られています。私はコロブチカで知っていたので、そちらを表題にしました。
詩が発表された後に作曲者は不明であるが曲がつけられ、瞬く間に広がってロシア民謡としての地位を確立しました。
日本では戦後、フォークダンスの曲として紹介され、分かりやすい構成のダンスと、だんだんテンポが速くなっていく楽曲構成が広く知られています。ただし、ネクラーソフによるオリジナルの歌詞は行商人の青年と村の娘の一夜の交際を描いたもので、演奏においても徐々にテンポが速くなるような演出はありません。また、旋律もフォークダンスの「コロブチカ」として知られているものとは若干異なるのが本来のものです。
トランペット楽譜
高音域が苦手な方↓
トロンボーン楽譜
高音域が苦手な方はトランペットのオクターブ下げたほうも試してみてください。