楽譜のご紹介
こいのぼりというと、吹き流しに真鯉、緋鯉という並びになるのだろうと思いますが、これはもともと江戸時代に江戸の裕福な家庭が始めたもののようです。もちろん、端午の節句ということで、吹き流しだけ飾ったということはあったようですが、江戸を中心に現在の原型のような形になったようです。
ですから、もしかしたらこの歌に歌われているような光景は地方では一般的でなかったのかもしれません。小学校の音楽教育で普及した内容なのかもしれません。いずれにしろ、ひな祭りの時もそうですが、旧暦ですので、現在の6月の初めごろの行事であり、梅雨に入る前のわずかな時を楽しむという風情があったのかもしれません。
男の兄弟が多かった子供のころ、残念に思った一つとして、こいのぼりを立ててもらわなかったことがあります。親友のうちでは立っていたので、特にそう思ったのだと思います。まあ、60年近く前の田舎では一般的には多くのうちが立ててはいませんでしたが、・・・。しかし、その思いは後年も記憶として残っていて、幸せの黄色いハンカチという高倉健さんの映画の中で、こいのぼりの竿を立てるシーンを見ても、子供のころのがっかりした思いがよみがえるのでした。
それはそうと、この曲を聴いているとつい最後に『富士は日本一の山』と歌いたくなります。