楽譜のご紹介
『カチューシャの唄』(カチューシャのうた)は、1914年(大正3年)に発表された日本の歌謡曲、ならびに同楽曲を題材にした同年製作・公開の日本の短篇映画です。
楽曲の作詞は島村抱月と相馬御風、作曲は中山晋平。劇団芸術座の第3回目の公演である『復活』の劇中歌として、主演女優の松井須磨子などが歌唱しました。また、『復活唱歌』の題名で、松井の歌唱によるレコードが発売されました。歌詞の「カチューシャかわいや わかれのつらさ」は爆発的な流行語となっています。
Youtubeに松井須磨子の歌声がありますが、当時としてはしょうがないのかなあというレベルの歌です
作曲した中山はこの作品が作曲者として初めて世に出した作品でした。作詞者の島村抱月は書生として寄宿していた中山に「学校の唱歌ともならず、西洋の賛美歌ともならず、日本の俗謡とリードの中間のような旋律を考えて欲しい」「誰にでも親しめるもの、日本中がみんなうたえるようなものを作れ」と依頼しました。
そのようなメロディが思い浮かばずに悩んだ中山でしたが、1か月ほど経った頃に詞の合間に「ララ」と合いの手を織り交ぜるアイディアが浮かび、島村の許可を得た上で若干の変更を加えた末に完成させました。その後、大流行になり、つかみの『カチューシャ可愛や、別れのつらさ』が流行語となっています。
100年ぐらい前の曲ですが、よく100年生き延びた曲ということも言えます。たぶん、女性が歌を公衆の面前で歌うということが少なかったからかもしれません。松井須磨子が舞台上で歌ったのだそうですが、録音を聴くと、特別うまいわけでもなく、ちょっと音程も悪いのですが、そんな意味があったのだと思います。