楽譜のご紹介
峠の我が家(この地の我が家/平原の我が家)(とうげのわがや、原題:”Home on the Range”)は、アメリカ合衆国の民謡で、この歌は、入植者やカウボーイらによって歌われ、様々な形でアメリカ中に広まりました。20世紀初頭には、しばしばこの曲の作曲家とされることもあるテキサス州の作曲家デビッド・ギオン(David Guion)によって編曲されています。カンザス州は1947年6月30日にこの曲を公式に州歌としました。
原題「Home on the Range」のthe Rangeは(山脈あるいは山地ではなく)「この地」あるいは「平原」と理解するのが正しいです。 歌詞の内容、特にバッファローがうろつく所は平原であり、作者が居たカンザス州はまさに大平原で山と呼ばれる所や、峠は皆無です。
カンザス州の最高峰Mount Sunflower(標高1,231 m)は本物の山では無いのです。 すなわちミシシッピ川流域からロッキー山脈の麓(コロラド州)へ向けて、大平原が極めて緩やかに傾斜しており、カンザス州の平原西端が標高1,000mを超えている状態がつづいているのです。
つまり、カンザス州はなだらかな台地のようで、峠というはっきりしたものがないようなので、訳はちょっと正確ではないようです。たぶん、日本人が想像するところでは峠しか当てはまらなかったのだろうと思います。
私が、田舎の広い平原のところから、都心へ初めて暮らし始めたとき、なんて空が狭く、瓶の中で生活しているような感じで、空一面に張り付いた騒音と、どこまでも続くアスファルトで脛にくる鈍痛とに辟易としたのを思い出します。まさにその真逆がこの歌で歌われているものでしょう。