楽譜のご紹介
『浜辺の歌』は、詩人の林古渓が作詞し、成田為三が作曲した日本の唱歌です。
初出詩は大正2年(1913年)で、タイトルは『浜辺の歌』ではなく『はまべ』だったようです。
この詩には「作曲用試作」との一言が添えられており、当時山田耕筰に作曲を師事していた成田以外の学生も、この詩に作曲していた可能性があります。
作曲時期はおそらく大正4~5年頃とされており、大正7年には、当時人気の画家であった竹久夢二の装丁を施して『濱邊の歌』としてセノオ楽譜より出版されました。
どこの浜辺なのか不明ですが、林古渓は幼少期を神奈川県藤沢市の辻堂海岸で過ごしたため、この地が『浜辺の歌』の舞台ではないかと言われています。今は湘南人気で、イメージ的に混雑するところということしかないですが、昔はこの曲がぴったりくるところだったことは想像できます。しかし、これについては諸説あり、確定的なことは言えないようです。
しかし、この曲は春のうららかな日や初夏の過ごしやすい晴天の日なんかに吹きたくなる曲です。また、歌声に近いブラスにも相性がいいと思います。