楽譜のご紹介
1903年にアンヘル・ビジョルド(Ángel Villoldo)が作曲したとされ、1905年11月3日にブエノスアイレスの高級レストラン「レストラン・アメリカ」にて初演されました。「エル・チョクロ」とはスペイン語で「とうもろこし」という意味であり、由来には諸説ありますが、不明です。
作曲者であるアンヘル・ビジョルド自身も歌詞をつけ、マランビオ・カタン(Marambio Catán)も歌詞をつけていますが、一番よく聴かれるのは、1946年にエンリケ・サントス・ディセポロ(Enrique Santos Discépolo)によって作られた歌詞です。この歌詞は、メキシコの喜劇映画『グラン・カジノ』のために、この映画に出演するリベルタ・ラマルケの申し出により、急遽作られたものです。
アメリカでは、ジョージア・ギプスやトニー・マーティン、フランキー・レイン、ルイ・アームストロングが、「キッス・オブ・ファイヤー」(Kiss of Fire)として英語でカヴァーしたということで、世界的に知られることになります。『エル・チョクロ』ということではなくて、「キッス・オブ・ファイヤー」として認識している方も多いのではないでしょうか。エル・チョクロというと、タンゴで限定されていますが、キッス・オブ・ファイヤーで調べるといろいろなアーティストによる演奏が聴けます。
いつ知ったかわからない曲というのもいっぱいあります。いつの間にか知っている曲です。なぜかわかりませんが、たいてい子供のうちに聞いている可能性が高いです。この曲も下の動画を調べたら、1954年のTV録画だそうです。また、ルイ・アームストロングが発表したのも1950年代です。たぶん、ナット・キング・コールの歌声で聞いているのかもしれません。