楽譜のご紹介
この曲は、オペラの一幕に使われている曲です。題名は、『オルフェオとエウリディーチェ』(Orfeo ed Euridice )ということです。ざっくりと内容を説明すると、妻を亡くした主人公が泣き崩れていて、もう一度妻に会いたいと叫んでいたら、じゃあ合わしてやろうと愛の神が言ってくれました。
ただ、ここからが問題で、世界共通の意地悪な条件設定付きだったわけです。浦島太郎だって、鶴の恩返しだって、同じ仕掛けの物語です。この物語の場合は、妻を天上から地上に連れ戻す時、いちどでも振り向いたら、それでおしまいよというものでした。
ところが、やっと戻れるという時に、一度もこちらを見てくれない旦那を見て、信じ切れずに妻は泣いてしまい、その拍子に振り向くという、まったくお馴染みのストーリーとなったということです。
しかし、ここからが違う。この禁を破ったことで旦那は死のうとしたら、愛の神が現れて、いいよいいよ、大目に見るよ、ということでハッピーエンド。あまりにも雑なまとめですが、そんな感じです。
精霊って、さっと何の気なしについている題名ですが、『精霊』とはなんなのか。ここでいうところの精霊は少なくともヨーロッパ発のものだと考えたら、ルーツはどうもキリスト教布教以前の土着信仰の中にあるようです。
精霊というと日本の妖怪よりも何か品があるような感じですが、調べてみると、ほぼ変わりません。一部に人間の姿をしていないというのが精霊だというような説明もありましたが、そんなことでも無く、神様のランクから落ちてしまった精霊が妖怪だという説明もあります。どうでもいいか。曲を聴いている限り、悪さをしそうもない。元々の訳が間違えってこともあるし…。