楽譜のご紹介
この曲は、私の小学校の音楽の教科書にも載っていて、NHKでも結構流れていたと思います。私も好きな曲でした。私が住んでいたところは、北の寒い国でしたので、春を迎え、広い原っぱが緑となる、そんな現実感がこの歌にあったので、特に好きになれたのだろうと思います。4月になっても、さくらは咲きませんし、秋にたき火などしません。そんな嘘ばかり教える教科書の中で、そんなふうに思ったのかもしれません。
スロバキアやチェコの農村地帯で古くから親しまれていた民謡で、両国では現在も民俗歌謡祭などでよく歌われています。しかし、この曲はチェコスロバキアではすでに普段は歌われなくなっており、むしろアメリカや日本で歌われている様子を現地のテレビで意外なこととして取り上げられるほどなんだそうです。
19世紀末から20世紀初頭にかけての移民によってアメリカにもたらされ、牧場での集団労働を賛美する労働歌風の「ああ、美しい牧場」(英語原題 : Ah, Lovely Meadows)に改作されています。
本国で歌われなくなった理由は、こんな歌詞の内容に見られます。歌詞はいくつかありますが、ちょっとショッキングな内容です。菩提樹が燃えてその下にいた娘が、炎に包まれて、誰もなすすべがない状況になっています。その中で、恋人は・・・・
一人だけ泣いていなかった
一人だけ泣いていなかった
それは偽物だったのだ それは偽物だったのだ
一人だけ泣いていなかった 彼女への愛は偽物だったのだ
山から流れ出る水は 私のように輝いていて カエデの周りを回っている
山から流れ出る水は 私のように輝いていて カエデの周りを回っている←(熱くて死にそうと言うことなのでしょうか、意味不明)
若者たち泣かないで 泣かないで
若者たち泣かないで 泣かないで
そんなことよりこの菩提樹の そんなことよりこの菩提樹の
若者たち泣かないで 泣かないで そんなことよりこの菩提樹の火を消して
山から流れ出る水は 私のように輝いていて カエデの周りを回っている
山から流れ出る水は 私のように輝いていて カエデの周りを回っている
要約すると、ある娘が菩提樹の下にいたところ、火が付いて焼けていく状況を想像してください。村の若者たちは、何をするわけでもなく、ただ泣き崩れるばかりです。そんなとき、恋人だけが、泣いていなかった。早く何とかして・・・。とまあ、日本語で言うところの「ホイ」の意味が全然違うのでありまして、相当、悪い冗談です。
どうですか、日本で言う地獄絵図をもとに子供を怖がらせるようなお話とも違い、道徳的なものをみじんも感じません。何を言いたいのか。やはり、頻繁に戦があったり、民族問題があった背景の彼の地(チェコ・スロバキア)では、すべてが違うのかもしれません。
多分現地語だと、こんな感じ?