楽譜のご紹介
よくよく、改めて歌詞を聞いてみると、いい詞です。多少、最後あたりが、国家主義的な匂いがありますが、若い体の躍動する喜びというかそんなものを感じます。健康に生きてこそ感じる痛快感というものでしょうか。自然いっぱいの環境やそこでの恵も感じます。
ですが、昔唱歌で今は削除されてしまった残念な曲です。従って知らない方もいるかもしれません。戦中の軍歌もそうですが、強く海を意識した曲が古い曲には多いようです。『海行かば』などはその典型でしょうけれど、多分、日露戦争以降の強い日本のイメージというのがあったのかもしれません。今は昔のことかもしれません。ただ、元気な子供のさまを歌った曲で、暑さとともにくる夏休みで、遊びまくるのを前に、うきうきするという感じのようで、いいです。
もともと1910年発行の文部省『尋常小学読本唱歌』の中にある曲で、作曲家作詞家ともに不明とされている曲です。一部、異論があるようですが、確定されたものはないようです。
ところで、私も漠然としか知らなかったので調べました。尋常小学校(じんじょうしょうがっこう)というものがどんな内容だったかということです。明治時代は4年だったようですが、その後6年の今の小学校と同じになるようです。今の中学校にあたるのが、高等小学校という2年間の教育がありましたが、裕福な家庭以外は尋常小学校どまりだったようです。
その後、昭和16年に国民学校となります。戦時体制ということだろうと思います。「皇国の道に則って初等普通教育を施し、国民の基礎的錬成を行う」ことを目的とし…とあるのです。ここでも初等科と高等科で尋常小学校、高等小学校と同じ年限の教育がなされたようです。その後、NHKのみんなのうたなどでも取り上げられ、2007年の日本の歌百選に選ばれたということです。
私は海が苦手なので、何とも言えませんが、昔瀬戸内海で育ったという私が60年近く前に学んだ高校教師がいうことには、本当に素晴らしい風景が広がっていたそうです。そんな海との付き合い方を知らない私には、あまりピンとこないところです。