『リュートのための古風な舞曲とアリア』(Antiche danze ed arie per liuto)は、オットリーノ・レスピーギが作曲した3集の組曲。いずれも古いリュートのための曲を、現代のオーケストラないし弦楽合奏のために編曲したものであり(したがってリュートのための曲ではない)、それぞれ4曲から成ります。この楽譜は第3組曲の第4曲にあたります。
以前にも書きましたが、シチリアーナとかシチリアーノとか、シシリエンヌとかいうのは、みな同じことを指していて、言語が違ったり、男性名詞や女性名詞の違いのようです。音楽の形式を指して、地名ではないということです。
この曲を手掛けたオットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879年7月9日 – 1936年4月18日)はイタリアの作曲家・音楽学者・指揮者。ボローニャ出身ですが、1913年からはローマに出て教育者としても活動しました。1908年までは演奏家、とりわけヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者として活動しましたが、その後は作曲に転向しました。レスピーギがサンタ・チェチーリア音楽院教授を務めていた頃、同図書館で古い時代の楽譜を色々と研究した成果が基となってこの曲が作られたそうです。
近代イタリア音楽における器楽曲の指導的な開拓者の一人としてつとに名高く、「ローマ三部作」と呼ばれる一連の交響詩(すなわち《ローマの噴水(イタリア語: Fontane di Roma)》、《ローマの松(イタリア語: Pini di Roma)》、《ローマの祭り(イタリア語: Feste Romane)》)がとりわけ有名です。
16世紀から18世紀の音楽に対する関心から、古楽に基づく作品も遺しています。この楽譜もその中の一つです。