曲の由来
この曲はモーツァルトの絶頂期の作品で、完成度の高いピアノ協奏曲として注目されています。四旬節の予約演奏会のために作曲された作品です。第21番が初演されたのは1785年3月10日ですが、実にその1か月前には第20番を作曲したばかりです。才能があるというだけではなく、次々に依頼を受けるモーツァルトでしたが、この曲もまた本番の前日になってようやく完成させたいいます。
なお、四旬節(しじゅんせつ、ラテン語: Quadragesima)は、カトリック教会などの西方教会において、復活祭の46日前(四旬とは40日のことであるが、日曜日を除いて40日を数えるので46日前からとなる)の水曜日(灰の水曜日)から復活祭の前日(聖土曜日)までの期間のことをいいます。
モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも人気が高い作品のひとつとなっています。第2楽章はスウェーデン映画『みじかくも美しく燃え』に使われたました。このため、この映画の原題となった主人公の女性綱渡り師の名をとって、近年は、ピアノ協奏曲第21番ハ長調「エルヴィラ・マディガン」と副題をつけて呼ばれることがあるそうです。
この映画の内容ですが、実話をもとにしていて、妻子を持つ伯爵のシクステン・スパーレ中尉は、サーカスの綱渡り芸人エルヴィラ・マディガンと愛し合う。最後に愛し合う二人が服毒自殺をするというショッキングな終わり方をします。全編を通じてクラシック音楽が流れ、その中でこの曲が印象に残るような使われ方をしていたと思います。男優がアルパチーノに似ていましたが、アルパチーノは1972年の『ゴッドファザー』で世界的に有名になっており、こちらの映画はそれ以前の1967年の作品です。当時の流行の顔だったのかもしれません。
ほかの楽譜もそうですが、楽譜の完成度はあんまり大したことないので、これをたたき台に…というつもりで見てください。