華麗なる第円舞曲とされた作品34番ですが、その中の2曲目を取り上げています。2曲目はLento、イ短調。ロンド形式。
前作後作の間にあって、陰鬱な感情が支配しています。低音の空虚な5度音程の上に3度の主和音が主題を歌う形式になっています。演奏は比較的平易ですが感情表現として精神的な要素も必要です。2回平行長調に転調しています。
コーダでは左手でホ長調のアルペッジョを弾いた後、主題が回想されます。ショパンがワルツの中でも特に気に入っていた作品でもあります。
この曲がテンポの遅さや雰囲気から、しばしば「華麗なる」のタイトルにふさわしいかどうか、しばしば論議が醸し出されています。「華麗なる」がつかないただの「円舞曲」とする出版社やCDも多いのです。