『オリエンタル』(仏:Orientale) 作品50-9は、ツェーザリ・キュイが作曲したヴァイオリンとピアノのための小品。キュイの作品中、最も有名なもの。演奏時間は2分前後。
1893年に作曲されたヴァイオリンとピアノのための24の小品集「万華鏡」(仏:Kaléidoscope)の第9曲目にあたります。同曲集では、ロシア民謡風の旋律が特徴の第5曲目「子守歌」(仏:erceuse)も単独で演奏されることがあります。
日本における演奏(録音)のもっとも早い例として、1934年にわずか14歳の諏訪根自子がコロムビアレコードにSPレコードで録音を残しています。
東洋的なイメージの曲というのは、結構ありますが、その中の一つです。ただ、どこからがオリエンタルなのかというのは、意外と西欧人の抱くイメージは違うのかもしれません。シリア難民やイランイラクなどの報道に接することが多くなった今、西欧区域外(アメリカ大陸をのぞく)がオリエンタルという感じもしないでもないです。
ロシア5人組の一人であったのですが、5人組って誰のこと?ということで、以下のようなメンツです。
ミリイ・バラキレフ(1837年 – 1910年)
ツェーザリ・キュイ(1835年 – 1918年)
モデスト・ムソルグスキー(1839年 – 1881年)
アレクサンドル・ボロディン(1833年 – 1887年)
ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844年 – 1908年)
まあ、同世代の人が団子状態でいたということで、帝政ロシア期の末期の5人組といえると思います。
作曲家のツェーザリ・キュイという人は、父親がナポレオン軍のロシア遠征で帰ってくる途中に、ロシア域内でリトアニア人の女性と結婚したんだそうです。その5番目の子として生まれたということです。国籍は当時のロシアということになりますが、多国語を話し、しかも作曲が主な職業ではなく、堡塁といって、砲台を設置する陣地を作る専門家だったそうです。
ツェーザリ・アントーノヴィチ・キュイ(ロシア語: Цезарь Антонович Кюи, 1835年1月18日 ヴィリニュス – 1918年3月26日)は、ロシアの作曲家、音楽評論家・軍人で、ロシア五人組の一人です。
民族的にはロシア人ではなく、母はリトアニア人、父がフランス人の混血です。日本では、作曲者自身の用いたフランス語表記に従って、セザール・キュイ(César Cui)と呼ばれることが多いです。五人組の中ではもっとも目立ちませんが、10曲のオペラを残したほか、ピアノ曲『25の前奏曲』など素朴な作品もあります。五人組の中では長寿(83歳)に恵まれ、厖大な作品数を残しました。
実践的な軍事教練の専門家として著名でありながら、余技で精力的に作曲活動を続けました。また同時に、辛辣で攻撃的な音楽評論家としても活躍しましたが、このためロシア楽壇内で人望がなく、晩年はセルゲイ・リャプノフの助力にすがりつつ、没年まで作曲を続けました。