パイジエッロの作品としては最も知られているのだそうで、1789年に上演されたオペラ『美しい水車小屋の娘』《La Molinara》の中のアリアだそうです。
パイジェッロという作曲家は、ヨーロッパの微妙な時代に活躍していて、ナポレオンの下で5年間雇われていたイタリアの音楽家です。それ以前にも、王朝が変わったり、政体が変わったあおりで、結構、浮き沈みのある人生でした。
そして、ロッシーニがこの作曲家のセヴィリアの理髪師という曲を作り直して、大成功を収めると、忘れ去られた存在になっていくという結構、ストレスのたまる人生だったようです。
西欧社会を中心に著作権などの権利がうるさいですが、こういう歴史がいっぱいあったのでしょう。ちなみにネット上でも、ヨーロッパの著作権はハードルが高く、どんなものにも権利があるという感じがします。まあ、基本的に貴族社会を引きずった、楽して儲かるスタイルという感覚が深く根差しているのかもしれません。少なくとも、アメリカよりも厳しく感じます。
改めて、単純にフランス革命とか三部会だとか、王政復古だとか、ナポレオンの帝政だとか、歴史を文字ずらだけでしか理解していなかったことを後悔します。改めて、その当時の音楽の状況がどうだったか、当時の状況をより深く理解する必要があるようです。