楽譜のご紹介
この曲は、私が学生のときに通って いた池袋の区立図書館の閉館の合図の曲になっていました。暑い夏の過ごし方としては、本を持って、山手線で冷房車を探し、ぐるぐる回るという方法がありましたが、当時のエアコンの利きがそんなに良くなかった。それは、どんな施設のエアコンもそうで、今のように気持ちのいいものではありませんでした。その中で、エアコン目当てに図書館に行くのですが、大体どこも満員になるのに、池袋のこの図書館は穴場でいつも席があいてたように記憶します。ちょうど東口駅前の三越の裏の小さな公園を抜けて、その近くだったと思うのですが・・・。もう50年以上前なので、どうなったでしょう?
この曲の題名の意味は「ツバメ」だそうです。日本では浜千鳥が曲では有名だと思いますが、アメリカのジャズの曲ではSky Lark「ひばり」が私は好きです。どれもいい曲です。どれも、その鳥の姿を擬人化して、自分やある境遇の人に哀れみや悲しさを感じるというものです。
「ツバメ」と題したこの曲には、背景があります。メキシコは独立運動(スペインからの)後、独立はしたものの、混乱が続きました。アメリカにテキサスを奪われたりもしました。アメリカが南北戦争をし始め脅威はなくなりましたが、今度はナポレオン3世が干渉してきて、勝手に皇帝を置いたりしました。そこで、フランスとメキシコのあいだに戦争が起こったということです。その戦争で捕虜になったのが、この曲の作曲家でツバメにたとえて自分の身の惨めさと故国のことを思う曲を作ったということらしいのです。それが、本土で大流行ということなんだそうです。まあ、聞いてみないとわからないもんだ・・・。完全に独立するまで50年以上かかっているのです。
東京五輪のマークで盗作問題がありましたが、今は昔の感があります。作曲でも同じことはあるのでしょう。この曲とよく似た曲が、有名な曲にあります。フランクシナトラなどが歌っていたSouth Of The Border 国境の南です。はっきり、この曲を意識して作っているんではないかと思います。どっちも好きです。