楽譜のご紹介
かなり古い曲です。1933年作曲の曲ですが、子供のころ、聞いた覚えがありますが、最近は全く聞かなくなった曲です。
どことなく、エキゾチックでぞくぞくするような曲です。アダムがイヴにそそのかされて、リンゴを食べちゃった、そんな情景を連想しますし、また深いジャングルの中を道に迷って、今まで見たことのないような、不思議な世界に踏み込んだような妙な気持になります。
この曲ができた1933年あたりでは、まだ地球上でも秘境がいっぱいある、そんな時代だったと思います。ゴリラも1902年に発見されるまで、まったく存在しないものでした。そんな中で、1933年の同じ年に、『キングコング』が上映されました。そんな時代が、この曲調にもなんか、関係あるのではないかと思ってしまいます。まさにインディージョーンズの生きた時代でしょうか。
“Temptation”は1933年にネシオ・ハーブ・ブラウン(Nacio Herb Brown)作曲、アーサー・フリィード (Arthur Freed)作詞で作られました。
はじめは、1933年のゴーイング・ハリウッド”Going Hollywood”という映画音楽として作られました。Bing・クロスビーがレニー・ヘイトン楽団の演奏とともに1933年の10月22日にレコーディングし、12週間のうちチャートの第3位まで達しました。クロスビーは1945年の3月3日にも今度はジョン・スコットトロッター楽団で再び録音しています。
曲は1952年の映画『雨に歌えば』( Singin’ in the Rain)や1983年のこの映画をベースとしたミュジカルでも使われ、1959年のバレリオ・ズッリーニの映画『激しい季節』でも取り上げられています。
この曲も長い間、題名が分からず、なんとなく記憶していた曲でした。多分、雨に歌えばで耳に残っていたのではないかと思います。この、猛獣が唸るような、独特の曲調は、数あるテンプテーションのなかの、テンプテーションです。楽譜は単純なものにしてあります。