故国を離れ、パリで活躍する前に、最初の長期滞在先となったウィーンは、シュトラウスを筆頭に、「ワルツ」で埋め尽くされていて、そんな時代の空気のなかで、違う形のワルツをショパンは書いていたわけです。ちなみにヨハン・シュトラウス1世は、ショパンの5歳上の作曲家です。なお、この曲は、パリ時代晩年の傑作で、通称「子犬のワルツ」といわれている曲です
しかし、別名、「1分間ワルツ」などとも呼ばれる曲です。1分台で曲が終わることからです。この曲は1846~47年に作曲(47年に出版)され、デルフィーヌ(デルフィナ)・ポトツカ伯爵夫人に献呈されました。
しかし、冷静に考えて、この曲を1分で吹けるでしょうか。ちょっと微妙で、結局、この呼称は元来「小さなワルツ」を意味したものが、「とても小さな」を意味する英単語“minute”(マイニュート)が時間の「分」を意味する“minute”(ミニット)と同じ綴りを持つために誤解されて広まって、1分間ワルツとなったのが真相。