アラゴネーズとは
アラゴネーズというのは、Aragonaiseでフランス語で、スペインのアラゴン地方の舞踏のジャンルのようです。シロガネーゼみたいな造語とは違うということです。てっきりアラゴンに住む人みたいな意味かと思っていたら、そうではなさそうです。アラゴンは、アラゴン王国などがあったように、地名は知っていてもどこらへんかというのが、はっきりわからないので、ここでご紹介します。
この地図のサラゴンと書かれているところがアラゴン州の州都だそうです。地図で見ると、スペインとフランスはピレネー山脈で隔たれていますが、そのピレネー山脈を背にして、アラゴン州があるような感じです。
アラゴネーズとは、文字通り、アラゴンの人あるいはアラゴン地域という意味からきているのですが、アラゴンのダンスというのが音楽の定義としての意味は、アラゴンのダンスという意味です。これは、伝統的にギターやカスタネットや手拍子を伴って行われる3拍子のダンスです。
アラゴネーズと題している作品は有名なものには2つあります。一つは、マスネのオペラ”Le Cid”、もう一つは、ここで扱っているビゼーのカルメンの第四幕の間奏曲です。
カルメンの扱っている時代背景
今までで、あげたカルメン関連の曲は間奏曲(第3幕への間奏曲)闘牛士の歌(エスカミーリョのアリア)、ハバネラ(恋は野の鳥)などです。
簡単に言うと、舞台は1820年代のスペイン。ジプシー娘のカルメンという美貌の女性に、初めはそんな気がなかったのに、色仕掛けに負け、すっかり熱を上げてしまって、他の男に行ってしまうと、ストーカーと化してしまったドン・ホセはついにはカルメンを殺してしまうという怖い話です。
ずいぶん、ザックリですが…。この時代設定のころ、スペインはどんな状況かというと、ナポレオンの兄のホセ1世が排除されて、フェルディナンド7世が即位します。確かにナポレオンの支配からの独立ということではありましたが、逆に近代的な憲法などや自由主義的な考え方が否定される反動期を迎えます。
この動きに対して、反乱などがあり、結果的には自由主義的な動きを受け入れることになるという、そんな時代だったのです。
ちなみにこのカルメンの初演は1875年3月3日 パリ、オペラ・コミック座ということですから、半世紀前の内容を歌劇として取り上げていることになります。日本だと、今の時代に、70年代を舞台にするような感じです。