楽譜のご紹介
童謡『赤い靴』は、野口雨情(のぐち うじょう)によって作詞され、本居長世(もとおり ながよ)によって作曲されました。この曲は、1922年(大正11年)に発表されたものです。
あらためてこの曲の歌詞を聞いてみると、童謡としながらも、なんとなく違和感を感じると思います。赤い靴を履いた小さな子が外国人に連れられて行く・・・・、どういう設定なのだろうかと…。現代ではあまり考えられませんが、昔は子だくさんで養子に出すとか、貧乏故に養子に出すとか、その反対に養子をもらうということは結構あったように聞いています。しかし、それにしても、外国人というのはレアなケースだったと思われます。
調べてみました。この話は実話に基づくのであって、北海道に入植した夫婦がその厳しい自然と生活の中で、貧乏故に、生まれた女の子を、アメリカ人の牧師に養子に出すという話がもとになっています。
後年になっても、母親はその子のことが気がかりであったようで、その子のことを聞いた作詞家が、現在のような詩に歌ったということです。
しかし、その女の子はアメリカに行く前に結核にかかってしまい、外国人は連れて行かず、東京の孤児院で9歳になったときに亡くなったのだということです。赤い靴の女の子は人知れず亡くなったのでした。ところが、これは違うとする説もあり、真実はどこにあるのかは不明です。
ところで、日本人が靴を履き、それが幼児にまで普及したのは、昭和の初めからのことだそうで、この『赤い靴』というのはかなり当時としては、めずらしいケースであり、象徴的なものだったのではないかと思います。今聞くと、単に赤い靴ですけど、当時は違ったと思われます。昭和30年代の私の小学校時代も、靴というとゴムの短靴という感じでした。運動靴などもなく、運動会の時には、足袋をはいて走っていました。また、足袋は冬場に靴下の代わりに履いていました。どちらも、そのほうがコスパがよかったのだと思います。だから、中学に入って革靴を履くということは、何か特別な何者かになったようでうれしかった。
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