作曲者の略歴
かなり印象的な曲で、19世紀には ウィーンをはじめヨーロッパ中で大流行を極め、ウィーン宮廷は一時チャールダーシュ禁止の法律を公布したといわれ、多くのジプシー楽団もチャールダーシュをレパートリーにしていました。この曲を知らない人はいないと思いますが、作曲者のモンティについては、あまり知られていないのではないかと思います。
ヴィットーリオ・モンティ(Vittorio Monti、1868年1月6日 – 1922年6月20日)はイタリアの作曲家です。郷里のナポリでヴァイオリンと作曲を学びます。1920年ごろ指揮者としてパリに行き、同地でバレエやオペレッタをいくつか作曲しました。マンドリン独奏またはヴァイオリン独奏のための有名な『チャールダーシュ』を除けば、実質的には無名の作曲家です。たいていのジプシー楽団がモンティの『チャールダーシュ』をレパートリーにしています。
また、非常に極端で華やかな曲想から、スポーツ競技などで演出に用いられます。また、金管楽器では超絶技巧の曲と知られており、木管楽器においても難度の高い曲です。演奏形式としては前述したピアノ伴奏付きの独奏だけでなく、オーケストラ伴奏の協奏曲風なものや、クラリネット四重奏などのアンサンブルなど様々です。
チャルダッシュ禁止令
チャールダーシュまたはチャルダッシュ(ハンガリー語: csárdás [ˈʧɑ̈ːrdɑ̈ːʃ]、スロバキア語: čardáš)は、ハンガリー音楽(英語版)の、ヴェルブンコシュから派生したジャンルであって、単独の曲名を指していません。もとは、ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダcsárda [ˈʧɑ̈ːrdɒ]に由来する言葉です。
ヴェルブンクとヴェルブンコシュは兵士が居酒屋(チャールダ)で兵士募集のために踊り、それが農民の改作も交えて次第に芸術的要素を増していき、19世紀にロージャヴェルジらによりチャールダーシュとなったといいます。
19世紀にはウィーンをはじめヨーロッパ中で大流行を極め、ウィーン宮廷は一時チャールダーシュ禁止の法律を公布したほどでした。
その遺産は、当時作られた内外の作曲家によるオペレッタ、バイオリン曲の中になお今も見ることができます。