アレクサンドル・ボロディンの《弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調》は、1881年にジトヴォで作曲、1882年に初演されたとされました。ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、エカテリーナ・ボロディナ(作曲家夫人)に献呈されました。ボロディンの、そして19世紀ロシア帝国を代表する室内楽のひとつです。
ボロディンは化学者
ボロディンは、作曲家としてその道に秀でていたにもかかわらず、いつも化学者として収入を得ており、化学の世界においては、とりわけアルデヒドに関する研究によって、非常に尊敬されていました。結果的に「日曜作曲家」を自称することになり、同時代人ほど多作家ではなかったものの、2つの交響曲や音画『中央アジアにて』(通称;交響詩『中央アジアの草原にて』)、抒情美をたたえて人気の高い「夜想曲」で有名な弦楽四重奏曲第2番はますます盛んに演奏されています。
ボロディンのものは、西欧的なものと少し違うと思ったら、グルジア人の血を引く人でした。しかも前述のとおり、二刀流の人だった。主に収入も科学者の立場からのもので、そういわれると、曲にがつがつしている感じがないように思われます。