楽譜のご紹介
コール・ポーターの曲です。コール・ポーターは、1891年の生まれですので、ポップス系の作曲家としては、意外と古い作曲家といえると思います。
ただ、20世紀に入って、音楽の大衆化が進み、音楽家の地位も上がったことにより、音楽家として自立することができる時代になっていました。ちょっと前のフォスターなどでは、音楽で生計を立てることが厳しく、最後は悲惨な最後となりますが、それに比較すると、輝かしい成功をなしえたと思います。
しかし、そんなコール・ポーターも40代に入るまでは、ぱっとしませんでした。軌道に乗って成功を収めた後も、落馬して両足を不自由にするなど、音楽家にありがちな思いがけない不幸が襲います。そして、1964年に亡くなります。
パリを題材とした曲は結構たくさんあります。エイプリル・イン・パリなどは、ジャズのスタンダードナンバーとしても有名です。
この曲はコール・ポーターによるものですが、コール・ポーターが若かった頃、芽が出ず、20代後半からパリで活動しています。その後、30代後半に帰国して、40代に入ってから華々しい成功をおさめますが、そんな若かった頃の思い出があるのでしょうか。セ・マグニフィクやアリブゾンなどのシャンソンを思わせるような曲があります。
そんな、『パリを愛している、それは、そこに恋人がいるから、春も夏も秋も冬も…どのパリも・・・』というような意味の詞です。詞もコール・ポーター自身が1953年に作っています。
I love Paris in the spring time
I love Paris in the fall
I love Paris in the winter when it drizzles (霧雨)
I love Paris in the summer when it sizzles(カンカン照り)
I love Paris every moment
Every moment of the year
I love Paris
Why oh why do I love Paris
Because my love is here
I love Paris every moment
Every…
歌詞自体は非常に簡単なもので、中学生でもわかるものです。
もともとは、ミュジカルの『Can-Can』のために書かれたものです。
その年には、Les Baxter楽団やビング・クロスビーがレコーディングしています。その後も続々とレコーディングされました。日本では、フランク・シナトラの歌声が有名だと思います。