この曲の作曲者エデ・ポルディーニ(Ede Poldini 1869~1957)の名は,クライスラー編曲による可憐なヴァイオリン小品「踊る人形 The Dancing Doll」のみで知られていると言っても過言ではないほどです。
ハンガリーのプダペストに生まれたポルディーニは,生地で学んだ後,ウィーンやジュネーヴでも学んだためでしょうか,その作品はハンガリーの民族色が薄く,完全にロマン派風ということです。
「踊る人形」の原題は「ワルツを踊る人形 Poupeée valsante」で、1895年に出版された全7曲のピアノ独奏曲の「人形芝居 Marionettes」の2曲目です。
この組曲は「道化役者 Baladin」で始まり、それまでの各曲のモティーフを含んだ「終曲 Finale」へと続きます。子供のための作品ながら,技術的には決して易しくなく、弾き難い部分も多いそう。
ちなみに、『踊る人形』で有名なのがイギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説がありますが、これとは違います。