夜想曲第1番変ロ短調 作品9-1は、フレデリック・ショパンが1831年に作曲し、翌1832年に出版したピアノのための夜想曲です。ベルリオーズの元婚約者でピアノ製作会社プレイエルの社長カミーユ・プレイエルの妻マリーに献呈されました。
作品9の3つの夜想曲のうち、第2作の作品9-2は有名な作であり、その陰に隠れがちですが、作品9-1も規模内容ともに遜色はありません。優雅な曲想で愛好家にも好評であり、作者の出世作となりました。
ピアノ独奏曲としてのノクターンは、アイルランド出身のジョン・フィールドに始まります。ショパンはワルシャワ時代にすでにフィールドの作品に接したものと考えられています。
フィールドのノクターンは、基本的にアルペジョの伴奏の上に歌曲風のメロディが歌われるという単純なもので、ベルカント唱法をピアノ音楽で表現することに長じ、デビュー当初、サロン向けの音楽を作る必要のあったショパンにとって、打ってつけの楽曲形式であったといえます。
また18世紀後半から増えたアマチュア演奏家の需要にも応えながら、芸術的な深みを持ち合わせた作品として、現在でも不動の人気をもっています。
ノクターンの作曲は、ショパンの作曲時期全般にわたっているため、作品ごとに作風の変遷を見て取ることもでき、ショパン研究には欠かせないものとなっています。
初期のノクターンは、フィールドの影響が色濃く残されていますが、時代が下るに従って作曲技法が深化し、ショパン独特の境地へと発展していく様子がうかがえます。ここで取り上げているノクターンはその初期のものです。
もっとこのノクターンを広く考えると、ノクターンの語源はラテン語で夜をさすNoxから派生し、修道院などで行われる晩祷のことを示すのだそうです。ひいては夜の黙想、瞑想などの意味に転化したものと考えられます。
宗教作品としての晩祷はモンテヴェルディからラフマニノフまで壮大な作品が存在しています。また貴族の夜会で奏される音楽にノットルノ(Notturno)があり、ルネサンスから古典派にかけてセレナードと同様の機会音楽として存在しました。この個人の瞑想とサロン文化が結びついて、このジャンルが形成されたと思われます。
このショパンの曲は私にとって、憂さ晴らしにもってこいの曲のように感じています。なにかこう、言い訳がましい感じがとてもいい。『ふざけんな!俺のせいではないぞ、・・、俺の言ってることが分かんないか』という風に聞こえます。幼児の所作を見ながら、この曲を聴いていると、子供のもどかしさを表現しているようで、なんかピッタリする感じもします。
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