楽譜のご紹介
アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(As Time Goes By)は、1931年にハーマン・フップフェルド(Herman Hupfeld)が、ブロードウェイ・ミュージカル『エブリバディズ・ウェルカム 』(Everybody’s Welcome)のために作詞・作曲した曲です。この劇中では、フランシス・ウィリアムズ(Frances Williams)が歌っていました。
また、その11年後の1942年制作のアメリカ映画『カサブランカ』のテーマ曲としても、一般的に知られています。映画の中でも古い流行歌として取り上げられていますが、前述のとおり、この映画のために作られた曲ではありません。映画では、印象的なシーンで効果的に使われ、ドーリー・ウィルソンによって歌われています。
この題名を直訳すると当たり前ですが、『時の過行くままに』という感じになり、古い世代では沢田研二の曲を思い出しますが、” AS TIME GOES BY”というと、『時の過行くままに』と思いがちです。
ちょっとニュアンスが違って、時が過ぎていくにしたがって、という意味合いのほうがただしいようです。時が過ぎゆくままにというのはどこかやはり日本的というか、仏教的というか、祇園精舎の鐘の声…が出てきそうになっちゃいますが、時が過ぎようとも、あるいは時が過ぎるにしたがって、愛が深まるという感じの語感なのです。そう思うと、あの『カサブランカ』という映画のシーンとこの曲がぴったり合ってくるわけです。
なかなか表現が難しい曲の印象が残ります。映画自体の内容も、今は全然覚えていませんが、覚えていないということからすると、昔騒がれたほどの内容ではなかったのかもしれません、ファンには怒られるかもしれませんが…。1942年の発表の映画だということですから、大戦中に作られた映画ということです。