楽譜のご紹介
タンゴ ニ長調』は、イサーク・アルベニスが作曲した全6曲からなる組曲『エスパーニャ』作品165のうちの第2曲。組曲の中でも特に有名な作品で「アルベニスのタンゴ」の名前でも親しまれ、代表曲となっています。
ドビュッシーに絶賛されたピアノ名手の作者中期の傑作の一つで、ヴァイオリン編曲などでも親しまれています。
この曲の作曲者のイサーク・マヌエル・フランシスコ・アルベニス・イ・パスクアル(あまりにも長い名前)は、スペインの作曲家・ピアニストであり、スペイン民族音楽の影響を受けた作品で知られています。
アルベニスはカタルーニャのカンプロドンというところで生まれ、4歳の時にピアノ演奏をするほどの天才児でした。イサーク(イサク)という名前を根拠に、アルベニス自身は自らをユダヤ人と信じがちでしたが、無二の親友だったヴァイオリニストのエンリケ・アルボスによるとアルベニスはユダヤ人ではなかったといいます。
ライプツィヒの音楽院で短期間学んだ後、1876年にブリュッセル王立音楽院で学びます。1880年にブダペストに赴いてフランツ・リストに師事しようとしましたが、当時リストはヴァイマルにいたため会えませんでした。
なお、少年時代については「7歳でパリ音楽院を受験し、一次試験には受かったが、鏡にボールをぶつけて割ってしまい、試験官に追い出された」、「10歳で家出して、演奏しながら国内を放浪した」、「12歳のときには1人で中南米に密航」した、などと、これまで世界を股に翔けた冒険物語として伝記等で知られてきましたが、これらはアルベニス自身の話を書き留めたものでほとんどが嘘であることが判明しています。結構ふざけた人です。
この曲は、タンゴといいますが、タンゴというとバンドネオンという楽器を連想しますが、この曲は、むしろギターの演奏のほうが有名です。というか、ほとんどギター曲のようです。