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【無料楽譜】タレガ作曲『アラブ風奇想曲』(Tarrega Capricho Arabe)

 この曲の作曲家タレガは、20世紀のクラシックギターを基礎付け、独奏楽器としてのギターに対して関心が増して行くきっかけを作った人物と見做されています。大ギタリストのアンドレス・セゴビアは、技巧がかったタレガ作品をたくさん取り上げ、クラシック・ギターの演奏をヨーロッパ中のコンサートホールで行いました。

 タレガは《アルハンブラの思い出 Recuerdos de la Alhambra》《アラブ風奇想曲 Capricho Árabe》《ムーア人の踊り Danza Mora》などの自作のギター曲のほか、ベートーヴェンやメンデルスゾーン、ショパンらのピアノ曲をギター用に編曲しています。

 友人のアルベニスのような同時代のスペイン人作曲家と同じく、当時の支配的なロマン派音楽の風潮にスペインの民族音楽の要素を取り込んだ曲となっています。アルベニスのいくつかのピアノ曲(《アストゥリアス(伝説)》など)をギター用に編曲したものは有名です。近年は、ベートーヴェンの交響曲や室内楽、ワーグナーの序曲などを部分的に編曲したものが評判になりました。

 タレガの生い立ちは、こんな感じです。

 タレガはスペイン、カステリョン県ヴィラ=レアル出身、1852年生まれ。幼い頃に用水路に落ちて危うく失明しかけました。おそらくはこのため(目が不自由でも音楽で生計が立つだろうという父親の考え)に、家族に連れられカステリョーン・デ・ラ・プラーナに移り、音楽学校に進みました。

 最初の音楽教師エウゲニ・ルイスとマヌエル・ゴンサレスはいずれも盲人でした。1862年にギター奏者のフリアン・アルカスに神童と認められ、その奨めによりスペイン楽壇の中心地バルセロナを訪れます。

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 父親は伴奏楽器の色合いが強かったギターだけでなく、ピアノの勉強もすることを望んでいました。

 ギターの先生のアルカスが海外ツアーでいなくなり、10歳ばかりのタレガはカフェやレストランでギター演奏をすることで研鑽を積んでいきます。しかしながら、それが見つかり間もなく父親によって連れ戻されました。

 1865年に家出し、バレンシアでロマの一団に加わるが、再び父親に見つかり連れ戻される。もう一度家出しバレンシアに行くが、今度は自発的に戻り、家計を助けるようになったといいます。

 その後は1874年にマドリッド音楽院に進学。豪商アントニオ・カネサの援助のもとに、作曲をエミリオ・アリエータに師事。1870年代末までにギター教師として立ち(門人にミゲル・リョベートとエミリオ・プジョルがいる)、定期的な演奏会も行なった。ギターのヴィルトゥオーソとして鳴らし、「ギターのサラサーテ」の異名をとった。バルセロナに定住して1909年に逝去。

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演奏例

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